団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

カッパドキア殺傷事件

2013年09月13日 | Weblog

  また若い貴い命が暴漢の犠牲になった。トルコの景勝地カッパドキア近辺のゼミ渓谷で新潟大学の女子学生がナイフで刺され、一人が死亡、もう一人が重傷を負った。私はやるせなさに怒りで体が震える。

  今更何を言っても始まらない。失われた命は戻って来ない。犯人逮捕のニュースも二転三転している。最初に逮捕された容疑者は2番目の容疑者が逮捕され自宅から日本円と被害者のパスポートが見つかり、川の中から犯行に使われたナイフが発見され、釈放された。第二の容疑者の自供によると渓谷の狭い道で容疑者の車と被害者女性の自転車が接触して口論となり犯行に及んだと云う。

  イスラム社会で合計6年暮らした私の経験から事件を推測してみた。①男尊女卑説:口論になったのなら、女性が男性に反論することは容疑者の男の体面をいちじるしく貶め、それが犯行にいたらせた。②宗教信仰説:イスラム教徒は異教徒に対してイスラム教徒の厳格な戒律は適用されないと思い込んでいる。③トルコは親日国であるとの刷り込みの油断:確かにトルコは親日であるが、親日と犯罪に何の因果関係もない。いずれにせよ真実が近いうちに公表されるだろう。

  チュニジアに暮らした時、2人の日本人女性観光客が砂漠旅行の途中、現地の男に襲われた事件が起こった。イスラム教世界での厳しい性に関する戒律で、はけ口のない犯人の若者は、異教徒を犯しても罪に問われないと勝手に信じていた。またそれを承知で外国人女性観光客が現地男性との恋の火遊びを求めて訪れるとの風評もひろがっていた。海外旅行は人の気持ちを開放する。ましてや抑圧の強い環境に暮らす単一民族である日本人は、海外の何もかも異なる雰囲気に飲み込まれ油断してしまう。

  私が考える海外旅行をできるだけ安全にする3つの提案である。①パック旅行に参加する。②現地に迎えてくれて最後見送ってくれる知人友人家族がいる所へ行く。③個人旅行なら、現地で案内人か通訳を雇う。それができないなら現地で外国人旅行者にお願いして行動を共にしてもらい単独で歩き回らない。

  若い時の海外旅行は、善悪両方の人生を変えるほどの大きな影響を与えてくれる。私が若い時の海外旅行で体験学習したのは「自分の命は自分でしか守れない。できるだけの命を守る備えあれば憂いなしの段取りをしなければいけない。安全は金で買える」

  犠牲者の若い女性が歩めなかった失われた将来を思うと、66歳になるまで、学び、恋をして、働き、結婚をして、親になり、離婚して、再婚し、いま尚、生きながらえている私は申し訳なくなる。なぜか「♪命短し♪恋せよ♪乙女」が口をつく。22歳の乙女だった。生きていればこそ唄ってあげられるものを。オヤゲナイ。


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