団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

ついに病院船

2013年06月25日 | Weblog

  最近、新聞を読んでも心ときめくことなどなかった。悲しく、惨く、汚く、つらく、重く、暗く、憤怒させる記事ばかりである。切り抜きする新聞記事が減った。

  24日の朝刊に「災害医療 海上でも 政府『病院船』実証実験へ」の記事を見つけた。久々に顔を紙面に近づけて一字一句を読んだ。「政府は、海上で患者を治療できる『病院船』導入に向け、・・・病院船を日本列島の北部と南部の2ヶ所に配備すれば、おおむね24時間以内に全国各地へ到達可能という。・・・」 笑顔がこぼれる。私の夢が膨らむ。

  以前から私はこのブログで『病院船』を提案してきた。外務省の医務官を十数年間勤めた妻に配偶者として同行した。ネパール、セネガルでも暮らした。劣悪な医療環境を目の当たりにした。いつからか『病院船』を意識するようになった。妻が赴任したさきざきで出会った日本政府職員や医療関係者に私の『病院船』構想を持ちかけた。関心を示した人は皆無だった。

  海外でそれも医療環境の整っていないところに暮らすと、日本の医療環境がいかに恵まれているか思い知る。安倍政権になってから、次々に新しい国家戦略の矢が放たれるようになった。その中で医薬品や医療機器だけでなく、医療システムやサービスなどとパッケージにして海外に輸出するという計画がある。私はもう一歩踏み込んでここに世界に進出する国際的『病院船』を加えて欲しかった。

  さきの3.11東日本大地震でも医療機関の甚大な被害は、救助活動にも大きな支障をきたした。災害はいつどこで起こるかわからない。平和憲法を掲げる日本が世界に貢献できるのは医療である。中国が空母を1隻就航させたら、日本は病院船を一隻就航させる。中国の空母が増えるたびに日本の病院船が増える。広報宣伝ベタの日本だがそこを大々的に世界へ発信したら効果絶大であろう。かつて造船は日本の主要産業だった。価格競争で韓国や中国に造船数では負けたが、品質や機能や燃費効率ではいまだに世界をリードしている。『病院船』の建造はお手の物である。船内に日本の最先端医療機器はもちろん医薬品、高品質な備品を積み込む。『病院船』に乗り込む要員は、海洋国家を標榜する信頼に足る船乗り、優秀で腕のいい医師、看護士、調理師などなど豊富な人的資源が支える。

  『病院船』そのものが、日本という国家の存在価値をパッケージにした見本船となりうる。疫病災害テロ暴動戦争は世界中に蔓延している。『病院船』による援助活動を展開するほうが、どんな原爆、ミサイル、武器を持つ国より頼りにされるに違いない。今、このような『病院船』活動を実現するのに平和憲法を掲げる日本ほど全ての面で可能性を持った国はない。安倍政権発足後、いろいろ批判も多いが、私はこの『病院船』の今後を楽しみにしたい。

  まず『病院船』は、海上自衛隊の艦船に医療機材を積み込んで実証実験を始めるという。こんな新聞記事なら大歓迎だ。24日一日中とても機嫌よく過ごせた。


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