1ヵ月前、目の疲れがひどく、肩もはって私のオタク仕事がはかどらない日が続いていた。妻が「そうだ、旅行に行こう」と四国の『四万十川と足摺龍馬ゆかりの土佐高知4日間』をプレゼントしてくれた。3泊4日飛行機代込みで一人29800円。飛行機の往復正規運賃だけでも一人5万円はする。そこへホテル3泊分一泊一人一万円として3泊だと6万円。別途貸し切りバス合計400キロ以上分の交通費と観光代を加算したら、普通の個人旅行ならば20万円以上かかる旅だろう。
旅は列車か船かバスが良い。目的地に出迎える友や知人がいるか、パック旅行以外の何でも自分でしなければならない個人旅行は、年齢的に億劫である。もう飛行機には乗らないと決めていたが、いとも簡単にまた飛行機での旅行を、私は、あっさり値段で受け入れた。妻は、とにかく私をパソコンから引き離したかったのだろう。その意味では、この旅行は正解だった。なぜなら4日間、パソコンに触ることもなく、バスガイドや観光地の案内人の説明をメモ帳に鉛筆で書き入れた。右だ、左だ、上だ、下だと首を動かし、目と耳を総動員して観光できた。
以前から龍馬にはそれほど思い入れがない。ましてや生来へそ曲がりで、世の中が「龍馬、龍馬」と騒げば騒ぐほど、距離を置きたくなる。今回も極力龍馬関係は遠慮した。ジョン万次郎には、引かれるものがある。ジョン万次郎の生まれ育った中浜村を見て、四万十川が見られるなら、とありがたく旅の誘いを受けた。
11日の朝4時に起き、朝食をしっかり食べて羽田に向けて電車で向かった。羽田から全日空の高松便に乗り高松空港の集合場所にはなんと合計87名の参加者が集っていた。参加者は、年金組の夫婦連れがほとんどで、若者はたった3人である。添乗員はいない。この価格では無理だ。3台のバスに分乗。バスガイドが添乗員の代わりをする。一日目に興味のある観光地はなかった。金比羅宮から大歩危小歩危とまわり、高知に入った。ホテルを見て驚いた。セネガルのダカールで入居した築35年の官舎よりみすぼらしい建物だった。旅行代金は、苦情、文句を黙らせる。全ては覚悟していた。ホテルの部屋も風呂も久しく目にしなかった代物だった。風呂のタイルの壁が1メートル四方崩れていて、ビニールテープで補強してあり、「崩れる危険があるのでお気をつけください」と貼り紙があった。私が入っていると他の客が入ろうとサッシの戸を脱衣所側から開けようとするが開かない。私と両方から開けようとタコのように顔を真っ赤にしてやっと動かした。全裸で壁のタイルに押しつぶされることもなく、頑として開かない戸で風呂場に閉じ込められることもなく部屋に生還できた。
1日目の夕食は、パック料金に含まれていない。暗い川の土手を歩いて繁華街に出て、食堂で日本酒のお銚子一本を二人で飲み、カツオのたたきを食べ部屋に戻り、畳の上の布団にもぐりこんだ。
旅は列車か船かバスが良い。目的地に出迎える友や知人がいるか、パック旅行以外の何でも自分でしなければならない個人旅行は、年齢的に億劫である。もう飛行機には乗らないと決めていたが、いとも簡単にまた飛行機での旅行を、私は、あっさり値段で受け入れた。妻は、とにかく私をパソコンから引き離したかったのだろう。その意味では、この旅行は正解だった。なぜなら4日間、パソコンに触ることもなく、バスガイドや観光地の案内人の説明をメモ帳に鉛筆で書き入れた。右だ、左だ、上だ、下だと首を動かし、目と耳を総動員して観光できた。
以前から龍馬にはそれほど思い入れがない。ましてや生来へそ曲がりで、世の中が「龍馬、龍馬」と騒げば騒ぐほど、距離を置きたくなる。今回も極力龍馬関係は遠慮した。ジョン万次郎には、引かれるものがある。ジョン万次郎の生まれ育った中浜村を見て、四万十川が見られるなら、とありがたく旅の誘いを受けた。
11日の朝4時に起き、朝食をしっかり食べて羽田に向けて電車で向かった。羽田から全日空の高松便に乗り高松空港の集合場所にはなんと合計87名の参加者が集っていた。参加者は、年金組の夫婦連れがほとんどで、若者はたった3人である。添乗員はいない。この価格では無理だ。3台のバスに分乗。バスガイドが添乗員の代わりをする。一日目に興味のある観光地はなかった。金比羅宮から大歩危小歩危とまわり、高知に入った。ホテルを見て驚いた。セネガルのダカールで入居した築35年の官舎よりみすぼらしい建物だった。旅行代金は、苦情、文句を黙らせる。全ては覚悟していた。ホテルの部屋も風呂も久しく目にしなかった代物だった。風呂のタイルの壁が1メートル四方崩れていて、ビニールテープで補強してあり、「崩れる危険があるのでお気をつけください」と貼り紙があった。私が入っていると他の客が入ろうとサッシの戸を脱衣所側から開けようとするが開かない。私と両方から開けようとタコのように顔を真っ赤にしてやっと動かした。全裸で壁のタイルに押しつぶされることもなく、頑として開かない戸で風呂場に閉じ込められることもなく部屋に生還できた。
1日目の夕食は、パック料金に含まれていない。暗い川の土手を歩いて繁華街に出て、食堂で日本酒のお銚子一本を二人で飲み、カツオのたたきを食べ部屋に戻り、畳の上の布団にもぐりこんだ。