備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

備中國足守大茶湯 終了しました

2015-12-01 12:35:44 | 展覧会・ご案内


先週末の連休に開催された『備中國足守大茶湯』も無事会期終了致しました。
会場に居合わせた皆さんのニヤニヤ顔に、ホッとしております。全ての方々に感謝。愛してるぜっ!(*^ー')b

その熱冷めやらぬ中、残務整理やら次の展覧会の準備やら。あっ、明日からルネスホール(日本銀行跡地・岡山市)で『Septet』が始まります。
今年3月に行われた備前陶心会展での受賞者7名による選抜企画展です。是非、ご高覧頂ければ幸いです。




え~~、『備中國足守大茶湯』を振り返りますと……。

会場は、かの備中高松城水攻めがあった地に程近く、岡山空港から山を下ったところにある茶室『常光庵』でした。
タイトルに大茶湯と銘打つからには、お茶会が主軸でありますが、展示を充実させるのも狙い。
漫画『へうげもの』を核にした織部十作ならぬ『へうげ十作』と岡山の陶芸家始め各方面のクリエイターが製作した作品が集結しました。

30名を越える作家を集めての展示ですので、当初は「どうなるか?」と思っていましたが、モノ作りする人特有の土壇場力でクリア。(出来たと思う)
素材力の強い備前焼とPOPな釉薬陶を中心にして、染色、表具、ガラス、襖デザイン、写真との競演となりました。

会場では、連日リヤカー茶席も出していましたので、あまり写真も御座いませんが一部紹介。


メインの茶室の床には、主人公である古田織部の軸。

モバイルを触っているお姉さんや雲に乗る孫悟空。融通無碍の心地です。


それにしても、織部さん、キテますなぁ~~。

大評判だったお菓子は『備前矢筈水差』がモチーフ。お菓子名は、“Does it spoil the fun?”

蓋を開けると織部さんの顔。
「訳:興醒めします?= 意訳:水、差します?」ってことですね。


広間は展示スペースに。

茶碗もズラーっと。中央にはガラスの兜を。「合戦じゃ~~」

名シーンの複製原画を添えて。


現代解釈『破れ袋』と伝統『青備前茶入』


漫画からインスパイアされたセクシャルな作品も。



個人的に是非モノで出品依頼した『つち大根』。

吊ったったわ~~~。Ψ(`∀´)Ψ


複製原画と織部向付のモンタージュを狙って。

新しい料理を思いつくか。


九谷焼『ペットボトル』がシュール。

会場では、やたらと「九谷ヤバイ」との声。それなりの年齢の大人が若者言葉を使うシュールさもヤベェよ。

拙作の『空き缶』を古織様が……。

「   ~~~」(←お好きなセリフを当てはめて下さい)

過日、東京で会った作家さんと工業地帯の夜景話をしていたら……結果。
今回の為に『倉敷工業地帯茶碗』を製作、出品して頂けました。(写真は高台の一部)


工業系繋がりとして、スチームパンクで迎え撃つべし……か。



その他には、
国産牛(九谷)にならぶサイ(備前)。シリアスな社会派でした。
オブジェ(釉薬)を鹵獲したロボット(備前)は評判良し。


会期中、東京・横浜からお越し頂いたゲスト茶人による席も好評でした。亭主の方々の「へうげ」が伝わったと思います。
織部作の茶杓『追銘:むかし語』があるかと思えば、コマネチ!!の額とか。
「出張土産を配るように、お菓子を箱ごと送る」とか「現代解釈の井戸茶碗」って……最高です。

担当編集者さんによるトークショーでは、漫画の裏話やこれからの話なども盛り沢山でした。質疑応答も盛り上がりました。
帰りの電車時間ギリギリまで話して頂き、会場から飛び出して帰られた後に忘れ物が多数発覚……。オチまで周到で脱帽しました。


以上、写真では紹介しきれない程の笑いがあって、出品側ながら大いに楽しみました。
ザックリとした纏め(?)ですが、『備中國足守大茶湯』はこれにて終了とさせていただきます。


で!! 次は……、「『へうげものリターンズ』が来る!? 」 という含みを持たせておきましょう。( ̄ε ̄)~♪


皆様、本当に有難う御座居ました。 m(_ _)m  






___________________________


なお、このブログでは個人名を出さない事にしておりますが、スペシャルサンクスとして……

岡山の茶道具『奈々瀬』さん所有の茶室『常光庵』で年2回nanacaféを開催されている企画主催者さん
大河歴史ギャグ漫画『へうげもの』の編集担当者さん
単行本装丁などを手掛ける敏腕デザイナーさん
へうげた茶人の方々
作り手の皆さん

有難う御座いました。