備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

土作り

2007-02-25 01:37:18 | 陶芸

備前焼のやきもん屋は、多くの場合、自分で粘土を作ります。備前焼は釉薬を掛けないで、割木焼成をする事によって模様を作ります。粘土の種類、精製方法によって、その景色(模様)はもちろん、味わいが異なります。その土の味わい(土味)の違いが、やきもん屋のこだわりです。……という訳で、自分で原土から粘土を作る事になります。

さて、写真の原土は酸化焼成の場合に、ヒダスキ、緋色の発色が良くなります。
小生の場合、この土の精製は、2パターンあります。
ひとつは、余り細かく砕かないで、原土のもつ雰囲気を残す方法。これは、焼き上がると、煙草のパイプに見られる『杢目』のようなニュアンスになります。マーブル調の練り込みの感じです。
もうひとつの方法は、細かく砕いて、篩(ふるい)に通します。きめ細かい土に、緋色や火の走りなど焼成の雰囲気が写し取られます。

同じ原土から作った粘土でも、精製方法によって異なる表現が可能です。これらの特性を勘案して、どの粘土で、何を作るかということが決まり、おのずと窯詰めの場所も決定されます。長期的な計画性が必要。

最終的なイメージがあってこそ、土づくり、窯詰め、窯焚きの一連の作業ができるという事になります。
しかしながら一方では、ロクロや窯焚きなど、ライブな仕事が多いという事も確か。


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