備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

今回の……

2009-05-23 22:29:54 | 陶芸
「早よぉ、今回のモノを載せなよぉ~」という声があるものの、なかなか…m(_ _)m

アイテム的というよりも、焼け的(景色的)に特徴あるものから……。

まず今回の窯焚きは、窯焚き中に雨が多かった。
そして、割り木の乾燥がイマイチというコンディション。総じて湿気が多い中での窯焚きという事になった。割り木に関しては故意にやっている訳で…。

相対的に湿気が多いほうが、緋色が濃く発色する。
連房式登り窯(部屋が複数ある窯)よりも窖窯(あながま=ひと部屋の窯・単房式登り窯)の方が湿気が多いほうが好ましい。還元焼成と酸化焼成の違いはあるけれど。

窖窯特有の色としては、白いゴマがある。連房式登窯の焼成でも出せるけれど、窖窯の方が発色は良い。コロガシという窯変の取れる数が圧倒的に少ない窯としては、こういう変化は貴重なたぐいに類する。

最近あまり『白ゴマ』は、やっていなかったので、ここらでちょいっと…。


もっとも湿気が多く発色しやすい土を使えば、まず出る。
ただし、温度が結構高い場所でないとダメ。

これは、火前に置いていたので、かなり温度が上がっている。土そのものが融けかかり、結果として艶やかな感じになっている。これ以上、温度が高くなるとキズが発生する。

これが耐火度ギリギリというサンプルです。