備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

焼き豆

2009-05-18 12:41:37 | 陶芸


先日、天気が良い日。BBQ日和です。
七厘を持ち出して、炭を入れてセッティング。着火は文明の利器・ガストーチで炙ってしまいます。すぐに火が着いて便利ですねぇ。

それにしても七厘ボロすぎ……。



まぁ、豆が出回り始めた頃ですから…。豆でも焼いてみますか。

焼いた豆で、昼間っから一杯やるのも良いですなぁ。
ウグイスが鳴いています。のどかです。




ちょっと熱効率を上げる為に、周りを囲んでみましょう。




ありゃ~。火の中に、豆がぁ~~。





仕方がない……。ここでドライヤーを登場させよう。

アニメのネコ型ロボット風に読んでいただきたい。

「じゃ~~ん。ドライヤぁ~~。」

あまり意味はありませんでした。ちょっと浮かれています。ビールはまだ1本だけなのに……。(って、ホントに呑んでるし。早めの晩酌と言い訳。)

強制的に風を送って、火の中の豆を更に焼きます。
更に温度上昇。舞い上がる火の粉にテンションも上がります。

暑いので、更にビールが美味しく頂けます。




豆が光っているようなので、取り出してスクモ(籾殻)の上に乗せておきます。
火事注意です。最近、伊部方面でも山火事があったばかりですし…。


すると!


「おぉ~!なんと、そこには銀色に光る豆が~!まさに神秘~~!錬金術か?」






m(_ _)m

既にお気づきかと思いますが、これは、七厘でヤキモノを焼いてみる実験です。

今まで仲間内で、七厘陶芸が話題に上がった事はあるのですが、誰も経験がなかったので、やってみました。経験しないと人には言えませんからねぇ。


いきなり焼くと破損するので、ちょっとづつ火に近づけていきます。色が変わったら、火の中へ。それだけでは野焼き程度にしか焼けないので、ブロア代わりにドライヤーで強制的に風を送り、温度を上げました。
これで温度が上がらなければ更に上を囲う予定でしたが、モノを見ていると思いのほか温度が上昇していますので、囲わずに開放のまま焼きました。

最後に部分的な色づけとして、スクモにのせます。接触している部分が還元されて色変わりになります。

炭の中に埋まっているモノはちょっと温度不足でした。
しっかりと光ってから引き出したモノは、急冷されて灰が透明感ある緑色になっています。

所要時間は、着火から最後の片付けまで入れて、2時間半です。
燃料コストは、炭が1kg。(大きな炭が6個ほど)
ただし、七厘のダメージが大きいです。後で見ると大きなクラックが入っていました。単純にボロかっただけかも知れませんが。

なお、七厘陶芸は商売には不向きですが、遊びとしては面白いと思いました。
子供の夏休みの宿題で、地元の土で陶芸というのもありかな。
本格的に、信楽の急熱急冷の土で釉薬を掛ければ、もっと違うと思いますが…。


……と、以上、七厘陶芸のレポートでした。

やってみると、ちょっとヒラメキがあったので、次回の窖窯の窯焚きで実行します。
目先が変わる事をすると、何かしら発見があるものですねぇ。


ちなみに窖窯での『豆の箸置き』は完売しました。あしからず。m(_ _)m