ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

うつろう

2015-09-17 10:04:43 | 日記
                           うつろう



                秋の陽は
                じりじりと
                ちりちりと




                後ろ足で
                砂をかいて
                ぼんやりと
                霞む空を眺めていた




                いつの世も
                知らない間に
                知らされない間に
                眼も耳も
                ふさがれた間に
                ことが
                起こり
                引きずられていくのだろうか
                情報は
                もたらされず
                「不安」をあおったらだめですから
                これが正しいのですから
                と
                押しつけられたままに
                


                いのちを誰のために削って
                いのちをなんのためにさしだすのだろうか




                    そば屋の看板は
                    「ちらー小」
                    なんのことはないのに
                    ぼろぼろと涙がこぼれてしまった



                    秋の昼時
                    変わっていく日々は
                    続いている