ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

疲れた野菜

2019-05-31 22:39:22 | 日記
                 疲れた野菜  



              その路地は
              こぎれいで
              タイルが敷き詰められて
              雑草もない



              向こうから
              年を重ねた
              女の人が来るから
              ここってどこ?
              わけのわからないことをきいてしまった


              こちらを振り向いた
              顔
              前歯がかけて
              紅が唇からはみでて
              目が
              ぎらっと
              こちらを
              睨み付けた


              人通りの少ない
              昼下がりの
              路地

              
              ピンクに近い赤がわら
              卑猥な
              屋根


              路地は
              白に
              隠れた
              貧困


              売店の棚に
              野菜がしなびている