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筒井康隆原作の映画と音楽

2015-05-10 | JAZZ
筒井康隆の中編小説を原作とした映画「ジャズ大名」、
元々は筒井康隆が幕末を舞台にした時代小説で、1982年1月9日にNHK-FMで放送された45分のラジオドラマです。
また、1984年に新潮文庫から発売になり、1986年4月19日に映画「ジャズ大名」として公開されましたが、私は暫らく後になってから観ました。

映画の内容は、南北戦争が終わり解放された奴隷が、故郷のアフリカへ帰る資金を稼ぐため演奏を始めましたが、悪徳のメキシコ商人に騙されて香港行きの船に載せられ、途中で大嵐になり、船から逃げ出し辿り着いたのが駿河湾。
そこの藩主が大の音楽好きだったことから、巡り巡ってジャム・セッションへと続き、やがて明治元年となり、目出度くチョン・・・というストーリー。

この映画に関する音源の一部は、当初新潮社の「筒井康隆全集」を購入すればもらえた非売品でした。
「筒井康隆全集プレゼント」 新潮社版 SH1001
  
1985年2月20日・21日録音

このアルバムの聴きどころは、本題のA面ではなく、B面の「昔はよかったなあ」というタイトルの筒井自身による朗読と、次に来る「Smoke Rings」のしっとりした演奏です。
バックには「It’s Easy to Remember」が流れ、その中での淡々とした筒井の語り口に加え、アルト・サックスの池田篤、ギターの杉本喜代志、それに神妙なタッチの山下洋輔のピアノ演奏が良いです。
朗読は、お色気を交えた話に始まり、映画のことや、昭和30~40年代に掛けての実話、そしてパロディ的な作り話まで盛りだくさんです。

この朗読部分、
最初と最後で「昔はよかったなぁ~・・・」としみじみと語る筒井さんの言葉の響きが、なんともいえない雰囲気を醸し出しています。


また、この映画のサウンド・トラックと、筒井康隆のクラリネットをフューチャーした演奏は、1992年4月に再編集され、単独アルバムとして発売されています。
「ジャズ大名」 徳間ッジャパン JAL-3050
  

B面の3曲は、筒井康隆のクラリネットが落ち着いた雰囲気を醸し出している演奏集です。

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