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阿部 薫の「演奏」(その2)

2015-05-28 | JAZZ
その2では、阿部薫のレコードを、
一部はCDで再発されたため既に手元から離れてしまい、この4種類だけ残っていました。

阿部の生前に発売された唯一のアルバム「なしくずしの死」と、後年発売された別テイク盤「北 NORD」
    
録音 1975年10月16日 入間市民会館(埼玉県)、10月18日 青山タワーホール(東京)
この2枚は共にホールとライブのカップリングであり、
「なしくずしの死」は非常に素朴な演奏で、全曲通して聴いてみても全く違和感は感じず、
中でもソプラノ・サックスによる2バージョンは、楽器の構造から致し方ないのか全く普通の演奏で、民謡風のフレーズも飛び出して、
一方の別テイク盤の方は、吉沢元治がベースとセロで参加していて、静寂な空間が多い演奏です。


こちらは未だ現役バリバリのドラマーSABUこと豊住芳三郎とのデュオ2枚、
「OVERHANG PARTY」と、その後発売された同タイトル(蝉文字)の共にライブ盤、
録音順からみると、後発の続編のほうが、先に録音されています。
    
録音 1978年2月25日、4月15, 30日 ライブハウス 騒
1978年8月5日 RAOYA、8月13日 GOODMAN
「OVERHANG PARTY」は阿部がこれまでに使用してきたあらゆる楽器が登場、
豊住の切れ味鋭いドラミングと、パーカッションが冴える演奏も、もっとアルト・サックスの演奏が聴きたいのが本音、
一方の「蝉」のほうは、最初から最後までアルト・サックス1本で、豊住と丁々発止のインプロビゼーションが展開される壮絶極まりない演奏です。 


その他、海外のミュージシャンとの即興演奏にも参加しています。
 
左側のミルフォード・グレイヴスのリーダー・アルバムは強者揃いの演奏集、
右側のディレク・ベイリーとのセッションは、2曲で高木元輝との2サックスによるもの、
この2枚は、リーダー・アルバムと違って阿部の演奏を堪能するところには至っていません。


1970年代に突如出現して、急いで生きた阿部薫の数々の演奏、
前回のCDも、このLPもただ彼の発する「音」を聴くだけで、何のコメントも無用です。

なお阿部薫は、ブロバリン98錠を服用して中毒死していますが、その辺のところは騒恵美子さんの著書「騒」に詳細に書かれています。

因みに歌手の坂本九は阿部薫の叔父(母の弟)だそうです。 (世の中狭いね)

コメント
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