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ソニー・フォーチューンの初リーダー作

2015-05-14 | JAZZ
1939年5月19日、フィラデルフィア生まれのソニー・フォーチューン、
1967年にニューヨークに出て、エルヴィン・ジョーンズやモンゴ・サンタマリア等との共演を経て、1971年にはマッコイ・タイナーのグループに参加しています。
極めつけは、74年から凡そ8か月の間、ディヴ・リーブマン(ss) に代わりマイルス・デイビスのグループに参加していることです。
彼のマイルス・グループでの最初の演奏記録として、8月3日のボストンでのライブがあります。
 
そして75年2月の来日公演「アガルタ」「パンゲア」を含み、同年3月までマイルスのグループでサックス奏者として重要なポジションを担当していました。

話は替わって・・・
米国のマイナー・レーベルの一つであるストライタ・イースト、
1974年当時、スピリチュアルなジャズを中心に、新進気鋭の若手ミュージシャンを次々に登場させたレーベルです。
ここにソニー・フォーチューンの初リーダー作があります。
このアルバムに参加しているチャールス・サリヴァンやスタンリー・カウエルにも同レーベルにリーダー・アルバムがありますが、こちらはジャケットに引かれ、発売後直ぐに購入していました。

このアルバムの録音日が正しければ、マイルス・デイビスのグループに参加ししている間にレコーディングされていたことになります。
「LONG BEFORE OUR MOYHERS CRIED」 STRATA-EAST SES 7423
  
1. LONG BEFORE OUR MOTHERS CRIED
2. A TRIBUTE TO A HOLIDAY
3. SOUND OF SILENTS
4. FIVE FOR TRANE
5. WAYNEISH
SONNY FORTUNE(as, ss, fl) CHARLES SULLIVAN(tp) STANLEY COWELL(p, elp) 
WAYNE DOCKERY(b) CHIP LYLE(ds) ANGEL ALLENDE(cg, etc) MARIO MUNOZ(b-dr) 
RICHIE PABLO LANDRUM(cowbells)  録音 1974年9月8日、15日

全5曲はいずれもフォーチューンのオリジナルで、このアルバムは彼の母に捧げられています。
冒頭のタイトル曲である「ロング・ビフォー・アワ・マザーズ・クライド」は、このアルバム一番の大曲で、リズム陣による長いイントロの後、フォーチューンのソプラノ・サックス、サリバン(tp)、カウエル(p)と続き、再びパーカッションの連打に戻って終了します。
メンバー全員が参加し、アフロ的なパーカッションを多く取り入れていることからサウンドが非常にカラフルです。
2曲目はビリー・ホリディへのトリビュートとされる作品で、ピアノ・トリオをバックにフォーチューンはアルト・サックスを吹いていますが、70年代の「レフト・アローン」といった趣の演奏です。
また、3曲目の「サウンド・オブ・サイレント」では、2小節のゆったりしたリズム・パターンの上でテーマ部をフルートで、アドリブに入ってからはアルト・サックスに持ち替えています。
一方サリバンは、ハイ・ノートで応え、カウエルはエレクトリック・ピアノを弾く印象的な曲です。
4曲目は5拍子の曲で、アルト・サックスとトランペットのユニゾンでテーマが演奏された後、ss ⇒ tp ⇒ p の順でソロが展開されますが、サリバンのトランペット・ソロを聴くならこの曲が一番です。
最後の「ウエィニッシュ」は、4ビートで演奏される快調なアップ・テンポの曲で、中間部ではベース奏者のウエインのベース・ソロを挟んでいます。

全体を通しての印象は、70年代のジャズで、ソニー・フォーチューンはソプラノよりアルト・サックスのプレイが光っています。
数えてみたら彼はこの5月19日で76歳になります。

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