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私の愛聴盤(第25回)

2013-10-26 | 私の愛聴盤
第25回は日本のジャズを取り上げました。

富樫雅彦(ds/1940年3月22日 - 2007年8月22日)が、実質的なリーダーとなった「ジャズ・スピリッツ・トリオ」で、埋もれていた美しいメロディを持ったバラードを取り上げたアルバムです。

富樫 雅彦は日本屈指のジャズ・ドラマーの一人ですが、1970年1月、不慮の事故で脊髄を損傷し、下半身不随となった後は独自のドラムセットを使い、数々の名演を残しました。
中でもピアノ・トリオによるこのアルバムは、バラードでありながら決して甘さに流されることがなく、また富樫の緩急自在のドラミングが聴けると共に、残る2人のレベルも高い一級のジャズ・アルバムです。
当初はCDで1994年8月に発売されましたが、98年7月にレコードとして再発売されています。

「JAZZ SPIRITS TRIO」 VENUS TKCV-79057
 

「JAZZ SPIRITS TRIO」 VENUS TKJV-19703
   
1. WHERE ARE YOU
2. BLAME IT ON MY YOUTH
3. WALTZ STEP
4. CAN’T HELP LOVIN’ DAT MAN
5. DON’T TAKE YOUR LOVE FROM ME (CDのみ)
6. THE THINGS WE DID LAST SUMMER (CDのみ)
7. DESERT WIND
8. A LOVELY WAY TO SPEND ON EVENING
市川秀男(p) 桜井郁雄(b) 富樫雅彦(ds)  録音 1994年7月8日

富樫雅彦はデビュー当初から天才ドラマーとして注目され、ビ・バップやフリー・ジャズも何でもこなし、パーカッションのみで自由自在に豊かな音楽が作れるジャズ・ドラマーでした。
本アルバムについては「バラードもジャズであり、これは自分がやりたかった音楽の一つであり、リスナーの聴きたいジャズの一つであると思う」と自ら語っています。
富樫の作品はデビュー当時のものからずっと聴いてきましたが、こういうタイプのジャズも格別です。
そして収録されている8曲(レコードは6曲)の内、ワルツ・ステップが富樫、デザート・ウインドが市川のオリジナルで、残り6曲はメロディとコードが綺麗なスタンダード・ナンバーが選ばれています。
この中で私のお気に入りは、富樫が可愛がっていた愛犬をモチーフにして書いたといわれる愛らしいワルツで、素直なメロディと共に、彼のブラシによるプッシュが素適です。
富樫は作曲も得意で相当数の曲を書いていて、それらは多くのジャズ・ミュージシャンによっても演奏されていています。

富樫の作品集の中では、彼が亡くなって2年後に、著名なミュージシャン達によってトリビュート作品として登場した「マイ・ワンダフル・ライフ」があります。
   

また富樫は絵画も得意で、盟友の山下洋輔は、2004年11月に釧路芸術館にて、富樫の描いた絵画を前にして彼のオリジナル曲を弾くというライブも残しています。
CDジャケットの絵は、富樫雅彦の作品の内の1枚です。
(10曲目のマイ・ワンダフル・ライフは、上記CDの最後にも収録されています)
  

コメント
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