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私の愛聴盤 (第51回)

2014-11-09 | 私の愛聴盤
第51回は渡辺貞夫の「アイム・オールド・ファッション」です。

ナベサダさんこと、渡辺貞夫さん(1933年2月1日 - )
彼が関与した作品はベスト集などを除いても、悠に150枚はあると思います。
リーダー・アルバムとしては、キング・ジャズ・シリーズの1枚として1961年8月15、16日に録音された「SADAO WATANABE」が初レコーディングで、それから今日に至るまで、ビ・バップからボサノバ、アフリカン・サウンド、フュージョン・サウンド等、ありとあらゆる「音楽」を演奏し続けています。

その中から1枚という訳にはいきませんが、貞夫さんの原点でもあるストレートなジャズ作品の1枚を選びました。

「I’M OLD FASHIONED」 EAST WIND EW-8037
   
1. CONFIRMATION
2. GARY
3. 3:10 BLUES
4. EPISODE
5. I CONCENTRATE ON YOU
6. CHELSEA BRIDGE
7. I’M OLD FASHIOND
8. ONE FOR C
SADAO WATANABE(as) HANK JONES(p) RON CARTER(b) TONY WILLIAMS(ds)
録音 1976年5月22日 NY

この録音当時、バックを担当しているハンク・ジョーンズ以下3人のプレイヤーは、いずれも「グレイト」といわれる超一流のミュージシャン達で、「THE GREAT JAZZ TRIO(GJT)」に相応しい面々です。
このGJTは、ドラマーのトニー・ウイリアムスによって発案され、1作目の「LOVE FOR SALE」はバスター・ウイリアムスがベースを担当していましたが、2作目からはロン・カーターに代わり、録音順でいくと、今回のアルバムが2作目となります。
アルバムでは、貞夫さんが尊敬するチャーリー・パーカーの曲、スタンダード、自身のオリジナルが上手くブレンドされ、これはプロデューサーである2人の伊藤さんの力だと思います。
全8曲の中で、特に印象的なのは2曲目のバラードの「ゲイリー」で、いわずと知れたゲイリー・マクファーランド(71年11月、38歳で他界)に捧げた曲です。
これを聴く度に、ジャッキー・マクリーンの演奏で有名な「レフト・アローン」がダブって聞こえます。

タイトル曲の「アイム・オールド・ファッション」は、貞夫さんの好きな曲だそうで、それに倣ったかのようなジャケットも中々洒落ています。
このメンバーによる作品は、翌77年5月にパーカー・ナンバーを集めてレコーディングされた「BIRD OF PARADISE」がありますが、こちらの方が練りに練って丁寧に仕上がっているように思えます。
このアルバム、出来は素晴らしいのですが、欲求不満のところもあります。
それは・・・
一寸大きめの「音」で鳴らすと、凄い迫力で楽しめるのですが、ご近所さんのことを気にするため、中々機会がないことです。

また、1976年度の文化庁芸術祭において、大衆芸能部門の「芸術祭大賞」を受賞しています。
それに関連し、東京都内のジャズ喫茶店が発刊した「MJL VOICE」の創刊号(昭和52年1月15日発行)に貞夫さんのインタビュー記事が掲載されていました。
 

そしてこの録音は、今から38年前のものですが、メンバーの中のハンク・ジョーンズと、トニー・ウイリアムスは既に他界しています。
GJTは、ベーシストとドラマーが何度も替わりましたが、不動であったハンク・ジョーンズが2010年5月に91歳で亡くなるまで続きました。

コメント
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