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ブルーノート・レコードの変遷と見本盤

2013-01-27 | JAZZ
「BLUE NOTE RECORDS」
ジャズ・レコードの中でも折り紙つきのレーベルで、初レコーディングは1936年1月6日というから、今から77年前のことです。
1950年代中期からはルディ・ヴァンゲルダー(RVG)がレコーディング・エンジニアとして参加し、「ブルーノートの音」を作り上げ、1960年代中期までに数多くの名盤を創出しました。
このレーベルの創設者はドイツ出身のアルフレッド・ライオンで、途中から参加したリード・マイルスが手がけた斬新なレコード・ジャケットも、このレーベルの大きな特徴となりました。

アルフレッド・ライオンは、以前から海外プレスを認めていなかったことから、ブルーノート盤を聴くには輸入盤を入手するしか方法がありませんでしたが、1966年に米リバティー社に売却された時を境に、米国以外でもレコードのプレス・販売が可能となりました。
当時日本では、東芝音楽工業がリバティー社の傘下にあったことから、1967年に初めて日本プレス盤が発売されましたが、当時の「音」は「オリジナルの音」とは「全く異質の音」だったようです。
また1977年頃には日本の発売権がキング・レコードに移行され、「特別復刻盤・特製重量レコード」とし、これもまた「独特の音」となり、ジャケットの裏面、および中袋までがオリジナル盤と同じであるとしたことで話題になりました。
そして1983年には、キャピトル・レコードが米リバティー社を買収したことにより、今度はキャピトルの親会社であるEMIの傘下となり、日本での発売権が再び東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)に戻っています。

前置きが長くなりましたが、このレーベルがキングから再び東芝に戻った時期に、オリジナル・レコード番号1500番台(基本的にモノラル)と、4000番台(基本的にステレオ)を番号順に復刻していくという企画があり、そのPR用として非売品のLP2枚が製作され、良く通っていたお店から頂いたものが手元にありましたので、
オリジナルのジャケットと共に紹介します。

1枚目の左はバド・パウエルのザ・アメイジング・バド・パウエル Vol.1(BLP-1503)で、この構図をまねたジャズ評論家の油井正一さんが横顔で登場しています。
そして内容ですが、BLP-1501から1550までのアルバムの中から27曲が、油井さんのナレーション入りで各々1~2分ほど入っています。
解説書によると、このナレーションは1983年11月14日に音撮りしたと記載されています。
   

2枚目はソニー・クラークのクール・ストラッティン(BLP-1588)をひねったジャケットとなっており、1500番台の後半からブルー・ノートの全盛期の演奏が、やはりナレーション入りで42曲入っています。
   

この2枚のレコードは「音」はさておいて、ブルーノートの聴きどころが詰まった内容となっており、今は亡き油井正一さんの声が聞けることでも珍しいものです。
この企画の1500番台は当初の発表通り、2枚の未発表盤を除き1501番から順次発売されましたが、4000番台に移ってからはランダムとなり、1993年頃までにおよそ200枚が出たところで終了して
しまいました。
ちなみにこの2つのシリーズは1500番台が1501~1600、4000番台が4001~4423(2009年12月現在)までとなっています。
また2004年にはブルーノート65周年記念とし、RVGが新たにリマスターし、日本のエンジニアがカッティングした名盤20枚が発売されたこともありました。

ブルーノート・レコードは今でも根強いフアンが数多く、モノラルのオリジナル盤は特に高額で取引されています。
そして2011年10月からは、東芝ミュージック・ジャパンと都内のレコード店の共同企画により、「プレミアム復刻シリーズ~究極のアナログ盤復刻」と銘打って、オリジナル・マスターテープの音をそのまま
レコードにしたものも発売されています。

なお1990年代後半からは、「ブルーノート60周年記念」として、RVGがリマスタリングしたCDも数多く発売されており、かなり満足できる内容となっています。

余談ですが、ブルーノートと肩を並べるジャズ・レーベルとしてプレステッジがあり、こちらもRVGが録音エンジニアとして係ったアルバムが数多くあります。
そしてこちらも自らがリマスタリングしたLP、CDが発売されています。

下記に紹介するCDは、名盤とされるソニー・ロリンズのサキソフォン・コロッサスで、このレーベルの発売権を持っている日本ビクターが開発した新技術(DIGITAL K2)によるCDを、新たに発売するに当たり、お店のPR用として製作された非売品です。
右端は同じ内容のRVGがリマスターしたEU製輸入盤で、やはりこちらに軍配が挙がります。
  

コメント (2)
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