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アン・バートンの2枚

2013-01-14 | JAZZ
アン・バートン(1933 - 1989 )
リタ・ライスと共にオランダを代表する女性ジャズ・ヴォーカリストです。
アン・バートン(本名 ジョアナ・ラファロヴィッチ)は、1933年3月4日アムステルダム生まれで、1955年にプロに転向しています。
その後はヨーロッパ各地の米軍キャンプやジャズ・クラブで歌っていたこともあり、ビリー・ホリディの歌に傾注した時期がありました。
歌う曲は彼女自身の考えから、スローなものが多いように感じますが、どのアルバムでも一言一言をかみしめるように感情を込めて歌っています。
日本にも4度来日していることもあり、こちらではリタ・ライスより人気が高いです。

なお、彼女に関する情報は各方面から沢山出ていますので、そちらをご覧いただくとして、ここでは自国で録音された彼女の最初と、次の2枚のアルバムについて紹介したいと思います。
( 最近、更に以前の録音も発見されCD化されています )
なおこのページの最後には、バックで演奏しているピアニストのアルバムも2枚掲載しました。

「BLUE BURTON」(1967録音、翌年発売)
オランダのグラミー賞といわれる1968年度の「エジソン賞」受賞作品です。
 
1.I CAN’T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE ( 捧ぐくるは愛のみ)
2.GO AWAY LITTLE BOY ← 女性が歌っているので LITTLE GIRL のところをBOYとしています
3.HE WAS TOO GOOD TO ME
4.BUT NOT FOR ME
5.IT’S EASY TO REMEMBER (思い出はやすし)
6.YOU’VE CHANGED
7.THE GOOD LIFE
8.IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING (夜は更けて)
9.SUNNY
Louis Van Dijk (p) Jacques Schois (b) John Engels (ds) Piet Noordijk (as) [ 3. 6. 8 ]

最初のアルバムは34歳の時の録音で、決して早いデビューではないですが、既にキャリアも十分なことから歌としては確立されています。
これと次のアルバムは、続けて聴いても少しもダレることなく一気に聴き通せます。
1曲目と6曲目はビリー・ホリディの歌唱で知られる有名曲です。
2曲目はキャロル・キングのヒット曲であり、9曲目は異色のソウル・ナンバーですが、ここでもゆったりと歌っています。
そして中の3曲で挿入されるアルト・サックスが良いアクセントをつけていて、8曲目の「夜は更けて」などは深夜に小さい音で聴いても、良い雰囲気を醸し出します。
余談ですが、このサックス奏者はオーソドックスな奏法からフリーまで何でもOKですが、ここではきれいなトーンで、歌のサポートをしています。

「BALLADS & BURTON」 (1969年作品)
我が国ではこの2枚目のアルバムが国内盤で発売されてから、彼女の人気が確立されました。
私がこのアルバムを購入した時、彼女のことは全く知らなかったのですが、ジャケットが素晴らしかったので、内容はともかくジャケ買いしました。
 
1.A LOVELY WAY TO SPEND AN EVENING (宵のひととき)
2.TRY A LITTLE TENDERNESS
3.BANG BANG
4.SOMEONE TO WATCH OVER ME
5.THE SHADOW OF YOUR SMILE (いそしぎ)
6.IT NEVER ENTERD MY MIND
7.THAT OLE DEVIL CALLED LOVE
8.HEAR’S THAT RAINY DAY (冷たい雨)
Louis Van Dijk (p) Jacques Schois (b) John Engels (ds) Rudy Brink (ts) [ 2. 4. 5. 8 ]

彼女のアルバムは落ち着いた語り口で、いずれもスローでじっくり聴かせるものばかりなので、これらの歌のいずれからも暖かさと心地よさが伝わってきます。
この2番目のアルバムも最初のアルバムと同じコンセプトを持った内容で、ピアノ・トリオのメンバーは全て同じです。
少し変化をもたらせようと考えたのでしょうか、サックスだけがアルトからテナーに変わっています。
2曲目はオーティス・レディングの熱唱で有名なR&Bの名曲、3曲目は説明不要の名曲、5曲目は映画「いそしぎ」のために書かれた曲です。
私ごとですが、この曲の中間部で演奏されるテナー・サックスのフレーズをコピーし、練習していたこともありました。
そして7曲目は、こちらもかってビリー・ホリディが歌ったことのある曲を取り上げています。

この2枚に共通して言えることは、兎に角録音が良いです。
CDではソニー・ミュージック(Epic Records)からDSDマスタリングされたものも出されています。
そしてピアノのルイス・ヴァン・ダイクですが、本当に端正なピアノ弾きで伴奏も上手く、自身のトリオ・アルバムも多く出しています。


「 ここで、レーベルに関する一言! 」
紹介した2枚のアルバムは、オランダの「 artone 」レーベルがオリジナルで、後にCBSに移っています。
その本家である米国CBSは、1968年3月にソニーと合弁し、CBS・SONY(現SME)となった後、オランダでもレーベルに変化がありました。
私が1971年頃、最初に購入したのは2番目のアルバム「 BALLADS & BURTON 」でした。
オリジナル盤のジャケット表面は、左下にタイトルと奏者の英文字の記載があるだけで、レーベル・マークや他の文字はありません。
そしてレコードのラベルはオレンジ色で「 artone 」と書かれています。
ということから、私が持っているレコード盤はオリジナル盤、ジャケットはオリジナルではないことになります。
写真をご覧になると、ジャケットの左上に「 Stereo 」の文字と、その下が四角の白色になっています。
この部分には当初CBSのロゴマークがありましたが、それが綺麗に切り取られています。(裏面も同様です)
ということはレコード盤は、プレスしたオリジナル盤が残っていてそれを使ったけれど、ジャケットは無く、販売しようとした時点で既にCBSに移っていたので、そのロゴを入れてオランダ国内で販売した。
ところが輸出については契約上の課題がクリアになっていなかったことから、そのCBSのロゴマークを切り取って出荷されたものと考えられます。
それが私の手元にあるものです。
一方、最初のアルバム「 BLUE BURTON 」は、その後しばらくして購入したため、盤にもジャケットにもCBSのロゴが入っています。


話は変わって、日本企画(発売元 M&Iカンパニー)ではありますが、ルイス・ヴァン・ダイク・トリオは、およそ40年の時を経て、上記の2枚に沿った下記のようなCDも2枚出しています。
 
「BALLADS IN BLUE」 (2004年10月録音)
 1.GO AWAY LITTLE GIRL
 2.THE SHADOW OF YOURE SMILE
 3.I CAN’T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE
 4.ROUND MIDNIGHT
 5.WHERE WARE YOU
 6.ESTATE
 7.THE SUMMER KNOWS
 8.MORE THAN YOU KNOW
 9.CHEZ REGINE
10.TRIOLOGY
11.GONE WITH THE WIND
12.LIZ ANNE
13.IT MIGHT AS WELL BE SPRING
  Louis Van Dijk(p) Edwin Corzillius(b) Frits Landesbergen(ds)

「THE SUMMER KNOWS」 (2007年4月録音)
 1.A LOVELY WAY TO SPEND AN EVENING
 2.ONCE UPON A SUMMERTIME
 3.I WILL WAIT FOR YOU
 4.THE SUMMER KNOWS
 5.THE WINDMILLS OF YOUR MIND
 6.UN HOMME ET UNE FEMME
 7.HERE’S THAT RAINY DAY
 8.IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING
 9.YOUNGER THAN SPRINGTIME
10.I CAN SING A RAINBOW
11.BLACK ORPHEUS
12.YOKOHAMA WALTZ
13.YOU’VE CHANGED
  Louis Van Dijk(p) Edwin Corzillius(b) Frits Landesbergen(ds)

上記の2枚に中には、アン・バートンが歌った曲も多く含まれており、1枚目の1曲目( GO AWAY LITTLE GIRL )などは、イントロの4小節が過ぎると、続いてアン・バートンが歌うのではないかという錯覚に陥ります。

コメント
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