銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

主人を待つ忠猫、5月2日に鎌倉で

2009-05-04 14:01:26 | Weblog
 2009年5月2日の夜、主人と鎌倉市内を散歩しましたが、全く、今まで探索したことのない道路を歩いたのです。すると、信じられないくらい贅沢なつくりのお宅があって、そのエントランスにちょこんと猫が座って主人の帰りを待っているのに、出会いました。

 私は大変な猫好きですから、夜の八時ごろに、好きな主人の帰りをじっと待っている猫なんて、魅力一杯の存在で、話しかけてみようと、近寄って行きました。

 ただね、そのおうちがあまりにも豪華です。で、そう言うお宅では、最新式のガードシステムが構築されている恐れがあって、あまり近寄るとピーっと警報音でもなりそうで、猫から五メートルぐらい手前で、手なづけるのは諦めました。しかし、五メートル手前から、その猫とおうちをながめると、まるでフランス映画の中の情景の一つのように美しかったのです。まあ、どちらかといえば、あの映画版『オペラ座の怪人』の世界と言ってよいかな。

 十五メートルぐらい向こうの突き当たりに、三階建ての洋館があります。鎌倉には鎌倉文学館や、旧華頂の宮邸など、洋館がたくさんありますが、その手の古い歴史的な価値のあるものではなくて、最近に建築されたものです。そこへのエントランス道路は幅が六メートルぐらいで、大判のタイルが敷き詰められていて、両翼の埋め込みの中に左右で、五本ずつのライトがしつらえてあって、まるで宮殿みたいな感覚をその邸宅に与えているのです。特に夜の方が美しく見える邸宅でしょう。

 そのライトによって、エントランス道路は照らされています。しかし、猫がはっきり見えるほどの、光度でもありません。猫はシルエットになって浮かんでいるのです。まるで夢を見ているような、そして日本の中ではないような光景でした。

 うちの猫も私たち二人に大変なついてくれていますが、夜タイルの上で、じっと待っていることは考えられません。今は五月で暖かくなったと言っても、私たちは木でできた小さな椅子を猫のために玄関タイル(それは、1メートルかける120センチ程度のものです。あの大金持の家とは比較のしようもないもの)の上へ置いてあげているくらいです。

 我が家の猫と比べると、あの不思議な忠猫は、その冷たい、夜のタイルの上で、じっと待っているのです。もしかすると家の中にいる奥さんが、猫嫌いなのかもしれません。だから、だんなさんが帰ってくるまで、じっと外で、寒くても待つ習慣があるのかしら? そして、その猫は、好きな人(もしかして、その家の息子か娘であっても)が帰ってくる時間を、知っているのかも。動物って不思議な感覚を持っていますから。

では、今日、こんな童話風なところで、終わらせてくださいませ。
よろしく。                  2009年5月3日 雨宮 舜
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