酒と畑に戯れるオヤジな私

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古文書を楽しむ  聴蟲

2013年06月15日 | オヤジのつぶやき
古文書勉強会も全4回のうち3回目を迎えました

第3回のこの日は「江戸名所図会」から「道灌山聴蟲」を取り上げての勉強です



写真が不鮮明で わかりにくいと思いますが この名所図会は天保5~7年頃(1834~36年)

描かれたものの一部です

どこか物見遊山の風情が感じられる絵柄です

挿絵を描いた人は 長谷川雪旦 江戸名所図会のほか「江戸名所花暦」など挿絵を中心に活躍しました

記事を書いた人は 斉藤長秋と娘婿 孫へと引き継がれ 本の刊行に至ったのは孫の時代でした


配布されたこの史料は 江戸及び近郊の名所を挿絵入りで紹介した全7巻のうちの第5巻に収録された

日暮里近辺 いまに地名を残す道灌山(どうかんやま)を描写解説したものでした

ここに書かれた文字を解読しようとする勉強です

(ちなみに 道灌山は大田道灌所縁の山で 東大進学率の高い開成高校があります) 

第一回目に配布された「アンチョコ」と見比べて読み起こしをしますが これがなんとも悩ましい作業です

本文でさえ難解なのに 添えられたルビが誠にもって不可解!

平仮名に悩み 漢字のくずし字で立ち往生!

隣席のオジさんは 持ち込んだ辞典を紐解いていましたが ただただ唸るのみ・・・


悪戦苦闘の30分でした

そして講師のくだした回答は以下の通りでした  


道灌山聴蟲 ルビ→(たうくわんやまむしきヽ) ※ 道灌山(どうかんやま)で虫の声を聞くの意 ※

文月の末を最中 (ふみつき すへ さかり)にしてとりハき 名にしあふ虫塚(むしつか)

の辺を奇絶とす(あたり きせつ) 詩人吟客ここに来たりて(ししんきんかく)終夜その清音を珍重す

(よもすがら せいおん めてはやす)

中にも鐘児の音ハ勝れて艶しく(なか まつむし こえ すぐれて うるわしく)

紡詠娘のあハれなるに(きりぎりす) 金琵琶の振捨(すゞむし ふりすて)かたく思ハす

有明の月を(ありあけ つき)を待出たるも いち興(いっきゃう)とはいはん


そして 左の頁の上に書かれていたのは其角の俳句で・・・

”まくり手に

   すヽ

     むし

        さ
         
         か

          す

          浅茅
      
           かな”  

            其角 

読み解きは三割方はずれました


古文書勉強会初級編は次回で幕を閉じます

中々 なんくわいで おうぜうしてます (難解で 往生してます) 


それにしても江戸人たちの気持ちの持ちよう 余裕のありようには誠に感服いたしました

道灌山で 明け方まで虫の声を聞いて楽しんでいるのですから・・


げんだいじんのいそかしさ せハしさか いやうにおもへてきたべんきゃうくわいでした