おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

前提を間違えると

2019-01-17 11:11:49 | 日記

 これだけ情報が氾濫する世の中になってしまうと、一体何を信じていいのかわからなくなってしまう。自分の体験と知識に頼って判断すればいいという考えもあるだろうが、僕の体験や知識などたかが知れているから、そもそも自分自身の判断に自信がない。

 そこで有名企業や一流大学や専門機関などの権威ある発表に従うことになる。が、よほど疑ってかからないと、権威があるからといって正しいことを言っているわけではないのは、原発が安全だとか年金は100年安心だと権威あるところがお墨付きを与えようと、嘘八百だったことはそこら中に転がっているのだ。

 Yahooニュースを見ていたら、面白い記事が紹介されていた。ある世界的な医学雑誌にハーバード大学の関係機関が研究した論文が掲載された。18歳以上の男女23名をランダムにふたつのグループに分け、ひとつにはパラシュートを背負わせ、もうひとつのグループはパラシュートなしで飛行機から飛び降りてもらい、どちらのグループに死者や怪我人が出たかを調べたというのである。結果は、どちらのグループにも差がなかったと驚くべきデータを得ることができたというのだが、実験の写真を見て思わず吹き出してしまった。写真には地上に止まったセスナのような小型機から飛び降りている若者の姿が写っていたのだから。飛行機は飛んでいなかったのである。

 ただ、これは冗談ではなく、飛行機が飛んでいると読者が勝手に前提を決定していることに問題があるのであって、それを注意喚起するための論文なのだった。医薬品でも、大手医療メーカーが効果を宣伝しているが、前提次第で結果はいかようにもなる。この前までの通説が、時代が変われば正反対の主張が通ってしまうのは、そういうことだ。

 以前、テレビで頻繁に膝が悪い人のための健康食品として、飲むヒアルロン酸が登場していた。最近はぱったりCMを見なくなってしまったが、そもそも口から採った栄養は、分解され新たに栄養素として作り変えられ、骨になったり筋肉になったり、血液になったりする。口から血液を飲んでも体内の血液が増えないのと同様、ヒアルロン酸を口から飲んだところで直接膝に届くわけがないのは、少し考えればわかることだが、ついつい騙されてしまうのは、権威を盲信するあまり前提がおかしなことになっているからだろう。

 

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