おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

あまりに無知な指導者

2024-08-02 11:23:51 | 日記
 岸田文雄首相は「観光立国推進閣僚会議」において、全国35カ所の国立公園を世界水準のナショナルパークにするため、「民間活用による魅力向上事業」を実施するよう指示したというニュースが流れた。簡単に言えば、国立公園に「高級リゾートホテル」の誘致をするという政策だ。このニュースを聞いて、まず空いた口が塞がらなかった。一国のトップとも言える人間が、国立公園に関してこれくらいの知識しかないのかと、脱力するくらいのガッカリ感なのである。

 そもそも国立公園とは、自然や生態系の保護、自然景観の保全という観点からスタートしている。だから海外の国立公園では、そこを訪れた人は石ころひとつ持って帰れないほど厳密に運営されている。しかしながら、日本ではすでに人間が生活を営んでいる地域を国立公園に指定したため、国立公園内に生活道路が通り、ホテルや旅館があるという例外的な措置を取っている。

 国立公園は環境の維持のためなので、レンジャーもそれだけの数が必要になる。ところが、日本の国立公園を管理するレンジャーの数は、世界の数十分の1という情けないものだ。そもそもが環境保全など何も考えていないのがハッキリしている。最初から「国立公園」と指定することで、観光客を誘致しようとしているのだから、発想が逆転しているのである。

 だから、ユネスコの世界遺産においても、日本では両手を挙げて認定を受けようと頑張る。が、一度世界遺産に認定されれば、世界遺産として保全していく必要ができるため、本来は観光のメリットは薄れてしまう。当然入場制限や、使用制限が生まれるからだ。が、そんなことにはまるで頓着しないために、土地の人の生活を奪ってまで観光客誘致に血道をあげる。

 本来、国立公園に指定したり、世界遺産に認定されれば、道路を撤去したり、ホテルを区域外に移設させたりの措置を講じなければならないはずなのに、岸田さんは「高級リゾートホテルを作りましょう」と声を上げる。

 そういうわけで、様々な環境保護団体が声を上げるが、果たして政治家や町おこしに必死な行政は聞く耳を持っているのだろうか。

 
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