朝、うっすらと霧がかかったような天気で、太陽は雲の後ろに隠れている。こういう薄暗い日は、カメラを持って出てもあまりきれいな写真は撮れないので、カメラを持って行かないことが多い。が、手ぶらで散歩しても面白くないので、何も撮るものがなくったって、首から重い一眼レフをぶら下げて歩くことにする。天気が良くったって、1枚も撮らずに家に帰るなんてことは日常茶飯事なのだ。
散歩に出てすぐに黄色い花が目に留まった。カボチャの花だ。近くにカボチャ畑でもなければ、案外カボチャの花を見る機会というのは少ないかもしれない。家庭菜園でもなければ、住宅街の庭先の花壇にカボチャを植えて、花を愛でる人は滅多にいないだろう。
野菜の花というのは、自分で畑をやるようになるとすぐに覚えるが、スーパーでしか野菜を買わないという人は、花を見ても何の野菜かわからないんじゃないかと思う。
道端にブタナの花が咲いていた。これは雑草で、春から夏にかけて今年はいたるところで目についた。夏も終わりに近づき、ちらほらとしか見かけなくなったので、そろそろ終わりなのだろう。
黄色い花の写真が続いたので、意識して黄色系の花を写真に撮ってみることにした。
黄色というよりオレンジだが、コスモスの花をずいぶん見かけるようになった。コスモスも最近は品種改良が進み、ひと目で見たくらいではコスモスと思えないものも出回るようになった。
クサノオウもブタナと同じで、春先から夏にかけて多く目にした雑草だ。
月見草はこの季節になると、道端で数多く見かけるようになる。
空き地や荒れ地をツルで覆い尽くしてしまうアレチウリも、小さな花を咲かせている。世界を占領しそうなアレチウリも、9月に入るとあっという間に枯れてなくなってしまう。
見慣れない黄色い花があったので、タミちゃんがスマホのアプリを使って調べてみると、キツリフネという名前だった。漢字で書くと、「黄釣船」。花が細い糸のような筋でぶら下がっているので、魚を釣っているように見えるのだろうか。ツリフネソウの一種で黄色いからキツリフネ。早口言葉になりそうなので、「青ツリフネ、赤ツリフネ、黄ツリフネ」と試しに口にしてみる。
人んちの庭先にあったマリーゴールド。園芸種の名前は、僕はいくら聞いても覚えられない。だいたい名前が小洒落たものが多く、ちっとも面白くないのである。
まだまだノウゼンカズラだのジャノメソウだの、オレンジ系の花はあったのだが、今日のところはこれくらいにしておこう。