いまでこそ言われ始めた「新自由主義経済体制は誤り」とは、経済学の常識から言えば、初めから分かっていたことだ。ちなみに、これを言い換えて金融株主資本主義の正しさなどは、最初から説明、説得などなにもされていず、ただ「世界的な金融活動国家規制緩和」として強引に進められ、昔ながらの「自由競争賛美」が形を変えて復活しただけのことである。だから弱小国は為替や株の空売りなどで貪り取られるだけ、人件費を削る会社の株が上がって、色んな格差がひどくなり、世界的に弱者はとことん貶められた。
さて、これを正すとなると、これがとても難しい。世界を暴力的に席巻してきた流れであるから、世界的規制で制しなければならないからだ。ちょうど初期資本主義が生まれたイギリスで「10数時間労働の野放しには、国家的な8時間労働『制度』が生み出された」ように。今の金融株主資本主義に対して、こんな事ができるのだろうか。現に、世界は金融株主から正しく税を取ることでさえできずに居るのである。パナマ文書とか、最近のナントカ文書のように。
こういうグローバリゼーション規制は国連の出番なのだと思うが、その国連をアメリカが無視を続けてきたとは、誰でも知っていることだ。もっとも、最近の「米国デフォルト近し」状況を見ると、この国の影響力は弱化の一途だろう。いや、この影響力はすでになくなっている。国連総会決議などではもう負けてばかりだからだ。が、彼に命じられて中国相手に「GDP2%へと倍増」の軍隊を目指すという馬鹿な国もある。アメリカ自身が「一つの中国」「台湾独立はこれを認めない」と中国に約束した時代になっているのに、自分だけハシゴを上っていくのだそうだ。近く外されるハシゴとは、分かってきたはずだが。