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スノーデン・アサンジと、香港・ウイグル   文科系

2019年07月06日 10時51分54秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 アメリカ国家による世界的大々的な盗聴犯罪を暴いたのが、エドワード・スノーデン。世界の国家犯罪などを暴露してきたウィキリークスの創始者であり、イラク戦争における米犯罪映像を世界に告発した「大罪」を問われて、イギリス、スエーデン政府も巻き込んだ末に今や土壇場、拷問にまで追い詰められたのが、ジュリアン・アサンジ。彼はたとえば、米ヘリコプターからのイラク人無差別射殺映像を世界に流すことによって、アメリカ国家を告発したのだった。
 それぞれロシア(空港)、イギリスに難を逃れた彼らは、いずれも米国家による執拗な捕獲・引き渡し工作によって人生を破壊される覚悟を示した立派な確信犯人物だ。

 さて他方、香港で大問題になっているのが、「逃亡犯条例」。こちらは、「中国による邪悪極まる政治弾圧」として、日本のマスコミでも反対する市民達は英雄のように描かれている。政治犯の中国引き渡しに反対して、中国成金に多いと言われる逃亡詐欺師をも擁護する「運動」が公的建築物の破壊暴動にまで進んでも、英雄? 同じく中国を巡るいわゆるウイグル問題も、ここと中東を往き来しているイスラム国戦闘員らの暗躍は、日本のマスコミにはほぼ無視されているようだ。 

 何処か、可笑しくないか。香港問題には旧宗主国イギリスが、ウイグル問題にはイスラム「過激派」を通じてアメリカが絡んでいることは明らかなのだけれど、この関係の特報などが多い割に、こういうダークな側面は全く出てこないのである。否、世界ニュースのどこをどう詳報するかという親米諸国における海外ニュース種選択そのものが、何処かで統制ないしは自主規制されていると、僕には思われる。香港、ウイグル、イラン、ベネズエラ、シリア等々の反体制派は何をやっても皆立派であって、日本の反体制派は例えば辺野古の山城議長、公権力との小競り合いから数ヶ月の留置。国連人権委員会でも問題になった。確か、器物破損か公務執行妨害だったかな? それで数ヶ月! これが法治国家かという人権事件だが、辺野古を報じてきた日本のマスコミはこれも報じたか?

 アメリカ世界政治戦略が作ってきた、自己都合の世界世論工作に日本マスコミが左右されていると思えてならない。日本にとって香港やウイグルの問題は確かに、隣の国の出来事。が、グローバル時代の現在世界・社会では、遠近よりもはるかに大切な問題がある。日本にとって地球の裏側で市民を無差別大量虐殺する国は、場合によっては日本一般市民をも自己都合で殺すことになりうるし、ドイツのメルケル首相の私的電話でさえ常時盗聴してきた国は、日本の要人の醜聞なども無数に掴んできて、これを日本支配に活用してきたに違いないのである。

 そこで日本マスコミにとっても問題になるのが、こういうこと。安倍首相のように「対米卑屈によってこそ国内尊大が許される」で行くのか、スノーデンやアサンジの多少の爪の垢でも飲む正気が必要なのか。僕は後者だ。でなければ、アメリカの哲学者ノーム・チョムスキーが予言し続けたように「アメリカの世界覇権(完結)か、人類の生存か」にこのグローバル世界が負の形で直面するに至ると本気で恐怖している。これは、国連と世界の民主主義が無視されるビッグマザー支配の小説「1984年」の世界だろうとも。彼女は世界の総てを盗聴し、己の邪悪、悪行を暴く者は即座に抹殺する。スノーデンやアサンジのように。
コメント (5)
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