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Jリーグに歴史的強豪誕生(3)  文科系

2019年02月28日 12時50分26秒 | スポーツ
改めて、18年度JリーグMVP家長昭博

 川崎で18年度J1リーグMVPを取った家長昭博については、特別に嬉しい褒め言葉、内容がある。
「川崎という君の能力が出せるチームがあって、そこに来られてこれだけ評価されて、本当に良かったね」
「もう一度、君が伸びられる、貴重な時代が来たんだよ!」

 さて、この言葉、内容について、以下サッカー雑誌などからの抜粋などを試みたい。僕のその問題意識はこういうものだ。ガンバ大阪の育成始まって以来の天才宇佐美はまだ燻り続けているのに、その前のガンバの天才・家長は何故これほどの復活ができたか。そこには、世界と日本の近年サッカーの激変が関与していると、僕は理解している。

 そもそも今の川崎で、家長が、仲間からこれだけの高評価を得られたのは何故か。彼が川崎に溶け込める走力を持っていたことに加えて、彼の能力が「今のサッカーのゴール前で凄まじく生きる」ように時代が変わってきたからだと考えた。宇佐美ならこうはいかない。ゴール前能力でも家長ほどの当たられ強さはない上に、走力が不足するはずだ。そして、この走力、内循環機能は主として中学時代に育つものであって、20歳過ぎて大きく育むことの出来るものではないという運動生理学上の理屈も付け加わってくる。ただし、スタートダッシュ力はこの例外で、プロになってからでもかなり育つものだ。これは、清水時代の岡崎から知ったことである。岡崎は、元オリンピック短距離選手、杉本龍男氏に師事して走り出しの体の使い方などを身につけるとともに、あっという間に代表レギュラーFW、南アW杯の予選段階世界得点王に成り上がった。なお、この杉本龍男氏が今は堂安律の専属トレーニング・コーチをやっていると、先日のテレビで知った。

 ともあれ、川崎における家長の評価は、かつての所属チームよりも遙かに高いはずだ。それは、彼がボールを持てる力が、川崎の得点戦術ゲーゲンプレスのゴール前で限りなく生きるからだろう。ドリブル名手だし、相手を抜くことも上手い。ゴール前混戦で敵をハンドオフする力も、倒されない体幹も限りなく強いし、混戦でのパス力もある。このような力は、ゲーゲンプレス時代のゴール前では、繋ぎサッカー全盛時代とは比較にならぬほど大きな宝物になったのだ。加えて、家長は走れるから、出場時間も大変長い。
 川崎でやっていける以上を通り越して大活躍できたのには家長自身の予想も遙かに超えていたと思うのだが、逆に同時に、「この程度なら、俺にはそんなに難しいことでもなかったな」とも思ったはずだ。だから語っているのだろう。「このチームでなら、まだまだ俺は伸びるぞ!」。

 さて、こういう全てが選手育成にとって何が大切かを、新たに示してくれたと思う。何よりも、プロの対人スキルと、広く身方組織を見る目・視野は基本小学生まで。次いで、走力は、基本的に中学までしか身につかない。身体の強さは高校からでも遅くはないとは、ガンバ・ジュニアで家長に負けていた本田圭佑の今の体力や、高校までひ弱だったと思われる憲剛や俊輔が示してきた通りだと思う。

コメント
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