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とんでも無いデマゴーグ、高橋洋一!  文科系

2014年07月07日 21時28分24秒 | 国内政治・経済・社会問題
 講談社の現代ビジネスサイトに、高橋洋一とやらのこういう題名と要約が付いた記事が載っていた。
『【高橋洋一「ニュースの深層」】 北朝鮮の崩壊シナリオ、米中と「二股」かける韓国…アジアの安全保障を考えれば集団的自衛権は当然だ』

 さて、この記事の主要部分にこんな文章が載っている。
『この時期に、日朝の拉致問題が急展開していることと、中国の対北朝鮮政策が変貌していることとは決して無関係でない。そして、この北朝鮮崩壊シナリオを、中国と韓国がある程度共有しているからこそ、中韓の蜜月状態があると考えたほうが自然だ。
北朝鮮崩壊後は、ベルリンの壁崩壊後に西ドイツが東ドイツを併合したように、韓国が北朝鮮を飲み込む。ただし、これで中国と接する新たな「韓国」は、中国と「同盟関係」になるということだろう。
しかし、これは今のアジアの安全保障状況を大きく変化させる。
まず現状を整理しておこう。アジアでの安全保障体制は、米国による二国間同盟(日米安全保障条約、米韓相互防衛条約、米比訪問軍隊協定、米国台湾関係法など)が基軸になっている(下図)』
『ここで、興味深い国際政治理論を紹介しよう。筆者が米国プリンストン大時代に、マイケル・ドイル教授から習った「民主的平和論」(democratic peace)だ。
それは「民主主義国同士では戦争をしない」というもので、そのルーツは、カントの「永遠平和のために」(1795年)などにある。そこで、多くの人は自衛以外での戦争を望まないとしている。ドイル教授らはこうした考え方を整理して、理論づけてきた学者の一人だ。
ドイル教授は、民主国家同士の交戦可能性が相対的に低いのは社会科学的事実だとしている。
その理由は、共通の価値観を持ってイデオロギー対立がなくなること、複数政党を背景にして議会主義的交渉能力が発達していること、マイノリティの言論の自由が保護されていること、情報がよく公開されていること、民主主義国では戦争の大義がないことなどが挙げられる。ここで、民主主義国とは、男女普通選挙、複数政党制、報道の自由の確保などが基準になっている。
この対極にあるのが一党独裁だ。日本の周りには一党独裁国家が多い。そして、民主的平和論の応用として、一党独裁国家同士は戦争になりやすい。また、一党独裁国家と民主国家の間では、時に戦争が起こる、とも言えるだろう。』

 以上への批判だが、要は独断命題が多すぎるということだ。まずこれ。『民主主義国同士では戦争をしない』。次は少々長くなるが、
『ドイル教授は、民主国家同士の交戦可能性が相対的に低いのは社会科学的事実だとしている。その理由は、共通の価値観を持ってイデオロギー対立がなくなること、複数政党を背景にして議会主義的交渉能力が発達していること、マイノリティの言論の自由が保護されていること、情報がよく公開されていること、民主主義国では戦争の大義がないことなどが挙げられる』

 ドイル教授とやらに聞きたい。20世紀後半から、21世紀にかけて世界で最も出兵したことが多かったのはアメリカだと思うが、その戦争理由がこれでは説明できない。とすれば、こんなお説よりもアメリカはなぜこれだけ戦争をするのかを論ずる方が世界平和にも、ドイルさんが取り上げたカントの「永久平和のために」にとってもより重要なのではないか。そしてもう一つ、「民主主義」国家というのを屁理屈で解釈している。アメリカをこれに加えるためにという理屈でこうなっているのでもあろうか。民主主義国家って、ドイルさんとやらが叫んでいるこういうものであるのか?「イデオロギー対立がなくなること、複数政党を背景にして議会主義的交渉能力が発達していること、マイノリティの言論の自由が保護されていること、情報がよく公開されていること、民主主義国では戦争の大義がないこと」

 対して、民主主義の言語的定義は、こういうもののはずだ。①人民が権力を有し、行使すること。②基本的人権、自由権、平等権。③多数決原理。④法治主義、などなどのはずである。この民主主義の正しい定義、解釈によれば、アメリカってかなり酷い国になるだろう。
 ①金持ちが権力を有している。国民皆保険を目指そうとしたオバマが「税金を納めない奴に親切すぎる」と共和党大統領候補に非難される国であるのだから。人民が権力を有しているのであれば、こんなことは堂々とは語れないはずである。②平等権はない。だって、相対的貧困率が先進国では有数に日本と並んで高いのだから。④法治主義? 嘘の理由をでっち上げて戦争できる国は法治主義とは言わないだろう。

 とんでも無いご都合主義のアメリカ論と現下安倍政権画策に迎合した議論をよくやるもんだ。今僕が述べた民主主義論をちっとでも分かっているならば、今の世界の中のアメリカを持ち上げなどできるわけがない。中国よりも劣った国家であろう。少なくとも今の中国は、嘘の理由をでっち上げて遙かに自国よりも遠い国で対外戦争はしないだろう。一事が万事、このことだけでアメリカの酷さが分かるというものだ。時代迎合の愚か者、つまり曲学阿世。そう、この高橋洋一を読んだものだった。
コメント (6)
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