九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

軽視できない地方レベルでの右翼的潮流     大西五郎

2013年08月23日 09時20分46秒 | Weblog
「はだしのゲン」の自由閲覧をストップ

 漫画家の故中沢啓治さんが自らの被曝体験を基に描いた「はだしのゲン」について、「描写が過激だ」として松江市教委が昨年12月、市内の全小中学校に教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を求め、全校が応じていることがわかった。」という記事が8月17日各新聞に一斉に載りました。毎日新聞によりますと、松江市で昨年8月、市民の一部から「間違った歴史認識を植えつける」として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出されたそうです。市議会では不採択とされましたが、市教委は「(中国大陸での日本兵の行為で)首を切ったり女性への性的な乱暴シーンが小中学生には過激」と判断して校長会で「ゲンをできるだけ貸し出さないよう」口頭で求めたということです。

間違った歴史認識植えつける」と市民が請願

 学校図書館から撤去を求めた市民というのがどういう人なのか、新聞の報道からはわかりませんが、「間違った歴史認識を植えつける」を理由としている、つまり中国の人たちに対して日本軍はそんな暴虐なことはしていないと言いたいのだと思いますが、まさに「侵略の定義は学問的にも定まっていない」と発言して歴史認識を問われている安倍晋三首相を弁護しようとしているようにも見受けられ、右翼の人たちではないかと思われます。


江だけでなく鳥取市教委も
最近右翼が行政にやたらと要求する(あるいは行為の禁止を求める)動きが各地で強まっているといわれます。松江市のある島根県の隣の鳥取市立中央図書館も児童の保護者からクレームが出され、2年前から「ゲン」を事務室に移し、自由に手に取れない状況にしていたそうです(20日毎日新聞)。

 名古屋でも4月の市長選挙を前にして、右翼団体の「頑張れ日本!全国行動委員会愛知県本部」が名城公園前に中国領事館建設の計画があることに対して「名古屋の真ん中に中国の領土が出現する間接侵略を許すな」という集会を若宮公園で行い、栄までデモ行進しました。この集会に自民党の市長選挙予定候補者の藤沢忠将市会議員が登壇して演説を行ったということもありました。

もう一つの問題は教育委員会の形骸化

 「はだしのゲン」の閲覧制限問題で、松江市教委の当時の福島律子教育長が教育委員の会議に諮ることなく判断したことが19日わかったということです(20日毎日新聞)。自民党は教育長を実質的な教育行政責任者にして、教育委員会を諮問機関化する「教育委員会改革案」を推し進めようとしています。教育長が教育委員会の会議に諮ることなく自分の判断で重要事項を進める松江市教育長のケースは自民党案の先取りです。それぞれの地方の教育委員会の独自性を尊重してそれぞれの地方に合った教育を進めようというのが教育委員会制度の狙いでしたが、各地の教育委員会で教育長の専横が目立つ、つまり教育委員会が形骸化している傾向が強まっているといわれます。「日本の前途と歴史教育を考える国会議員の会」を主宰し、今の教育は自虐史観にとらわれていると主張している安倍流歴史認識を教育の場で強めようとしているのです。
 地方レベルでの右翼的傾向、行動の強まりとともに、教育委員会が政府方針を教育の現場に押し付ける役割を担うことも問題です。

(これは東海放送人9条の会に掲載さrたものです。らくせき)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする