松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

千年続く奇祭、「牛乗り」・「クモ舞」。

2015-07-07 20:26:04 | 日記・エッセイ・コラム

 午後2時半、出掛けようとすると、「私も行く」と妻が言いだした。出店が賑やかな事と、本物のウシ、という所に惹かれたらしい。きちんと神社に詣で、お賽銭も上げ、店を見てまわる。内心、酒部屋の様子が気になったが、行ってみると皆集まって、始まるのを待っている。

 御神牛が神社から予定通りやってきた。行事予定時刻の最後に、「牛の状態により、時間がずれることがあります。」と書いてあるからだ。牛さんの状態はいいらしい。

 しかしそこから長かった。予定の15時45分を過ぎても、牛に乗る人が現れない。16時が過ぎた。ポスターを良く見ると、「牛乗り」は16時からと書いていた。しかし一向にスサノオが現れない。何やらケータイでやりとりしている。船越側の進行状況を確認しているらしい。どうも向こうの神輿巡行が遅れているらしい。それを待っているようだ。結局16時30分を過ぎてしまった。その間、見物の人間がイライラしていたのは間違いない。牛さんはと観察すると、意外とお利巧に、しかし「モーオ」と3回鳴いた。引き手の方が、この牛について色々統人と話している。聞けば、16歳になるという。撫でてやると、首をこすりつけてくる。牛の精神状態はいいようだ。

 出ました。酒部屋から出て来た「スサノオ」です。周りから手を借りて、牛の背に乗ります。それから弓矢に剣を差してもらいます。

 そこで昨日の御幣3本を束ねた周りを3回廻り、道路へ出ます。

 するとそれからが、ウソのように早かった。牛の歩みが予想外に速いもんだから、カメラマンの皆さんが走っている。

 前から撮ろうと必死に走る。八竜橋まで5分と掛らなかったかも知れない。牛歩のウシ、恐るべし。考えてみると、牛は酒を飲んでない。牛に気を遣わせてしまった。私は橋に向かって急いだ。両岸から囃子に太鼓が聞こえてくる。すると船の上に、赤い装束の人が現れた。

 3回、でんぐり返りをやる。1回ごとに、拍手が起きる。

 私は特等席で見ていたが、岸にいる人は、何が行われているのか良く見えない。妻も事前説明なしだったので、船が動くのだろうとか、いろいろ悩んだらしい。間延びした時間に飽きて、綿あめ買って帰ってきた。

 テレビ局も、6時のニュースに間に合わなかったようだ。しかしケータイのない時代は、どうしていたのだろう、と考えた。先に岸に着いた方が、のんびり待っていたに違いない。今の人は、どうしてこう、せっかちなのだろうね。

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