棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

73-珍訳源氏-明石の入道のこと

2009-09-01 06:49:15 | 物語・絵本・童話
源氏殿が流刑になった明石では、土地の実力者に世話になったことはお話をしました。その入道さんは、以前は役職をもって京に住んでおりましたが、京では性格的に同僚と折り合いが悪く、出世をあきらめ京を去ったのです。
うわさによると、確かに仕事もできた人物でしたが、そのことを鼻にかけ他人を見下す振る舞いがあったようです。
「仕事はできるが嫌な野郎だ」ということになりますと、文句も言えない上に悔しさもあり、親しくする人はいなくなってしまいます。
人間ずきあいはその辺が難しく、仕事オンリーでも必ずしも出世するとは限りません。実力があるだけに、口惜しさも人一倍だったでしょう。
貴族・官僚世界は実力だけではどーーにもならない、ゴマすり世界なのです。
明石の地で在家出家をして、入道となったのです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿