棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

25--棚からぼた餅--村の起こり

2008-02-04 11:22:21 | Weblog
「ところで、この村がなんでこれほど、シケタ村か考えたことがあるか?」
突然の話の変化に、ついていけない福の神。
頭の中は"転勤・転勤゛の字がつまり、ほかのことなど考える余地もありません。

「村の衆は、誉れ高い平家の落人だといっているが、オレの先祖からの厄事計画書によれば、せいぜい武田軍に負けた残党だ。
オメーこの村で、正月に餅をつかねー事や、松飾を立てネーわけをしってるな」

計画書といわれドキッとした福の神。
「そそそそーですねー。戦続きで正月どころでなかった先祖を思って、餅をつかないとか。松飾は、やはり戦で、松林に隠れ助かった恩からだと・・。」

「そーよ。先祖を敬うってのは方便で、貧しさからきた人間の浅知恵かもなー」

「それにしても、つきたての餅はうまいですねー。
からし大根なんぞでいただくのが一番。久しくたべていませんねー」

「そうだなー。この村ジャー山奥に、隠し畑を切り開いてわいるが、年貢のたしにするのが精一杯。ひえ・粟・そば それじゃーもち米にとっかえられネーし。
山抜け(地すべり)がおきりゃーオレのせいにしゃがる」
厄病神はしんみりといいました。

       写真は「生命は満ち満ちている」170-85cm


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