棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

27-棚からぼた餅--稲荷って?

2008-02-06 11:56:19 | Weblog
「ところで、お伺いをしますが、稲荷さんは厄病神さんの管轄なんですか?
いえね、ただ今景気のいいようですが、えらい昔に私が出雲の寄り合いにいったときにゃ知りませんでした。」

「おめー今日は冴えてルナー。
実はなー、オレも不思議なんだ。王神さまのお達しの記憶もねーんだ。

馬っ子をぬかるみにひっぱりこんだり、肥溜めを風呂だといって、人間をだます。
旅人を近道だといって、田んぼをグルグル回らせたり、そりゃーもう、悪さのしほうだい。
そんなヤツが、稲荷大明神 だなんて、わからねー。
わからねーなかでも、腹が立ってくるほど、わからねー」

厄病神はだんだんエスカレートし、顔は真っ赤になり、スチームアイロンのごとき、鼻息をはきだしました。

「ままままっ、そんなに怒りますと血圧に悪いです。
あたし等下っ端にはわかりませんが、例のダンゴじゃーない、談合ってやつじゃないでしょうか。
あたしなんか、こおのんきにしていられるのは、厄病神さんのおかげだと思っています。
この村で十二分でございます。ハイ!!
福の神の神妙な話し振りに、「まーーなっ」と寂しく答えた厄病神でした。

傾いた与太郎の家で、必死に厄事計画書を作る厄病神
なんとか眠気をこらえていた福の神でしたが、やがて冬眠してしまいました。


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