棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

30-珍訳源氏-末摘花の巻

2009-07-16 09:02:00 | 物語・絵本・童話
ワタシはすっかり関心がなくなってしまった姫でしたが、源氏殿はまたまた負けん気が行動力をおこします。
雪の降る夜。今度は、以前よりは男女の生業が解っているだろうと、期待を込めて訪れた。
いつもの漆黒の闇が支配した寝所ではなく、ほのかな雪明りがたまらなくいい。
「美しい雪景色をいっしょにたのしみましょう」と誘えば、女房たちも姫さまをせかします。
ほのかに浮かんだ姫の頭の形といい、つややかでゆたかな髪のよう。「なるほど、うわさの姫らしい」ともうしぶんの無い様子に光源氏はニンマリ。
ところが、雪明りに浮かび上がった顔をみたとたんに、愕然としてしまった。姫の鼻は赤鼻の象鼻で、なんともひどいブス。そのうえ着ているものは古くさく、垢じみ、暮らしぶりに困っている様子。見ると聞くとでは大違い。
がっかりした源氏殿だったが、単に気まぐれなつまみ食いでなく後々まで暮らしの面倒はみてあげたようです。
正直、この辺が彼の偉いところだと感心します。


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