年末から年始にかけて、テレビ各局恒例の特番合戦が繰り広げられた。
この年末年始週というのは、12月28日から1月3日までだ。
全日、ゴールデン、プライムと、視聴率3冠を獲得したのは日テレだった。
同時に行われた年間視聴率では、フジの3冠V6だったそうだ。
ただし、これはあくまでも視聴率という化け物の話なのだ。
だから、まあそんなことはどうでもよろしい。
各局の番組は、旧態依然のバラエティ、いまや当たり前になったクイズ番組、各種再放送のオンパレードと、どうも相変わらずの視聴者不在で、作る方も見る方も民度おして知るべしだ。
こういうのを、電波の無駄遣いと言わずして何というのだろう。
お笑い番組は、若手芸人の使い回しみたいで、内容も首をかしげるようなひどいものも多かった。
テレビに映れば総芸能人で、彼らが視聴率争いを演じるのか。
晴れ姿の女子アナ、紋付きはかまの司会者・・・、どのチャンネルも似たりよったりだ。
ありきたりで、どこにも新味はない。
そんな番組ばかりが多い中で、箱根駅伝は見応えがあった。
毎年、そう思って見ている。
一年の始まりにふさわしい番組だ。
特に、往路最終区間の箱根の山登りは、下手なドラマ以上に迫力があった。
生きている、すがすがしいリアルタイムのドラマとして・・・。
それと、始まった頃は12時間ドラマだったが、今年は7時間ドラマになってしまった大型時代劇だ。
娯楽作品としても、これが結構楽しめる。
時代劇の少ない今のテレビで、貴重な番組と思える。
正月にもふさわしい。
しかし、テレビ各局が、視聴率争いにどんなに血眼になっても、いい番組は出来ない。
映画、バラエティなど、これでもかこれでもかとやっきになって放送し、すさまじいバトルである。
それでもなお、そうして登場した番組に、大人がジックリと楽しめる番組は皆無に等しい。
したがって、どうしてもテレビをという向きには、朝から晩まで、悪ガキ向けのドタバタ騒ぎに嫌でも付き合わせられることになる。
テレビ局は、気がついているのだろうか。
これが、いまのテレビの惨状(?!)だ。
作る側と見る側と・・・、まあどっちもどっちか。(苦笑)
凡百のつまらぬ番組でも、作れば視聴者はいるものだ。
だから、いつも同じことが繰り返される。
番組を制作するテレビ局の、不埒な情熱と怠惰が一緒くたになって・・・。
どうでもいいなどと、暢気なことを言ってはいられない。
解っていて、甘んじて見ている人間が賢いのか、それとも愚かなのか。
・・・何と、今年は早くも、一般家庭向けに、3Dテレビが登場するというではありませんか。
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私も箱根駅伝と大型時代劇は好きで出来るだけ見ます。
やっぱり「マジ」に作ってるから違うような気がするんですよね。
そういう手抜きって、けっこう分かると思うんですが。
それと、NHKですけど、民放入りしたみたいに見えて、どうも・・・。
このところヤタラと、自局の宣伝ばかりが目につくようになってきました。
鼻について、仕方がありません。