徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

ただいま、新顔急増中!!―ああ、家なき子―

2008-12-18 21:00:00 | 雑感

木枯らしの吹きすさぶ街頭に立って、ホームレスの男は、今日も声をからして、雑誌「ビッグイシュー」を売っていた。
ホームレスの売る300円の雑誌だ。売り上げの一部160円が、彼らの収入になる。
貴重な生活費である。

古顔の東京ホームレスが、こんなことを言っていた。
 「この頃、新顔がやけに増えたよ。若いのがね。やっぱり、リストラのせいだろうよ」
とくに驚くことでもない。
予想されたことだからだ。
これから、年末、新年にかけて、寒風のなかにさまよう人たちはますます増えることだろう。

会社を解雇されて、働く当てもなく生活が出来ないからと、コンビニに強盗に入った若者もいた。
治安だって心配だ。
先行きは、見通しもたたない。
そんな中で、大分県杵築市は、地元の「大分キャノン」などで解雇される請負社員1200人を、臨時職員として雇用することを決めた。
たとえ短期雇用でも、解雇された非正規社員を、自治体が直接雇用するのだ。
こんな例はあまりない。よく思い切ったものだ。

また国東市も、社員寮を追われた失業者に、一般市民向けの保養施設など、市の宿泊施設を無償で提供するとともに、市営住宅を半額で貸し出すことを決めたという。
市営住宅の家賃は数千円だそうだ。
これも、ささやかな朗報だ。

不景気を口実に、簡単にクビを切る経営者もいれば、財政の厳しい地方都市が、税金で、困っている人たちを救済しようという動きもあるのだ。
小規模な自治体にとっては、これだってかなりの支出になる。
それでも、少しでも解雇された人の手助けになればという心意気を、他の自治体も学んではどうか。
神奈川県でも、県営団地の入居などについて、前向きに検討を始めている。
これこそ急ぐことである。

それにしても、派遣社員を次々に解雇する、大企業の実体は聞いていてあきれる。
キャノンは、3兆円もの内部留保があり、大分の職場を解雇される1200人の社員1人あたりの年収300万円と見て、必要額は0.1%程度、計算すると、何とこれだけの金があれば、850年間も雇えるのだ!
キャノンの御手洗会長は、2億円以上の年収があると言われ、いまや財界の「総理」と呼ばれ、経団連の会長様だ。
この企業は、違法な偽装請負までやって、労働者を安価で使い、それがバレそうになって、「派遣法」を変えることまで主張したらしい。(本当なら、大分悪ですね。)
労働者がまともに聞いたら、許される話ではないだろう。

こうした話は、大企業ほどひどい。
内部留保を知って驚く。(以下、括弧の中の数字は報道された内部留保の額)
期間従業員、派遣社員のリストラを決めた大手は、トヨタ(12兆6600億円)、ホンダ(5兆3600億円)、日産(2兆8200億円)、ソニー(2兆800億円)、シャープ(8000億円)、コマツ(7900億円)、東芝(7100億円)など、これらの企業はこの内部留保の他に、数千億円からの現金や定額預金があり、役員報酬ときたら、最低5000万円から、最高3億5000万円を下らないと言われる。
片や、年収300万円の派遣社員は、住む家まで追われているのだ。
余裕のある会社ほど、早めにリストラに動いている。
非正規社員を、まともな人間として見ていないのではないか。
この世の中、矛盾だらけだ。

いろいろ問題の多い「派遣法」は、廃止も含めて、思い切った見直しが必要ではないか。
劣悪な条件で、仕事を提供する、それでも働かざるを得ない人たちに対する、何の保証もない悪法ではないのか。

これは余談ですが、麻生総理に410万円の賞与が支給されたそうだ。
国会議員にも、概ね330万円が支給されたそうだ。
一口に400万円と言うが、一般市民の年収と言える額が税金でまかなわれているわけだ。
民間企業のリストラに怯える労働者は巷に溢れ、いま、ホームレスが急増しつつある。
そんな時に、政治家は一体何をしているのですか。
国民のために、どんなことをしてくれたのですか。
何もしていないのに等しいのではないですか。
これでは、とても内閣の支持率など上がろうはずがありません。
経営者も政治家も、拝金主義者の多い世の中になりました・・・。(嘆息)

現在神奈川県の財政も、大変厳しい状況におかれているようです。
かつて、平静7年から2期努めた岡崎洋知事が、年末賞与をまるまるすべて辞退したことがありましたっけ・・・。
何故ともなく(?)いま、ふと思い出してしまいました。
いや、これは余談でした。