徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

定額給付金―スッタモンダのバラ撒き、丸投げ―

2008-11-20 08:00:01 | 寸評

景気対策の一環として、二転三転、いや四転五転も迷走を続けた定額給付金・・・。
打ち上げ花火は、具体策がまとまらないまま見切り発車だ。
支給条件だけをとっても、与党内ですら異論続出で、大臣によってまちまちといった有様だ。

国会の審議もしないで、「オレももらえるんだよな」と、当初、麻生総理自身そう言って、たいそうご機嫌だった。
しかし、世論調査では、給付金など不要だと答えた人が60%を超えた。
国民の大半は、バラ撒き給付金はムダだと考えている。
それに閣僚たちの、勝手な発言ばかり目立って、もうシッチャカメッチャカだ。
二兆円のバラ撒きを、天下の愚策、いや世紀の愚策だと断じた知事さんもいる。

給付賛成派は、頂けるものは頂きたいという気持ちはあっても、これで麻生内閣の人気が上がるというものではない。
しかも、財政の裏づけや細部の詰めを怠ったから、混乱を招いた。
バラ撒きで、選挙の票を一票でもという策はみえみえで、そんなことで効を奏するというのだろうか。
言い出し放しで、あとは市町村任せの丸投げだ。
この大ざっぱさ、このい加減さ・・・!

与党の姑息な魂胆、ここに見えたりだ。
票をカネで買おうというバラ撒きなら、これはもう買収ではないか。
・・・となると、犯罪性も問題になってくる。
そうですよ。見方を変えれば、一歩間違えば国家犯罪(?)の可能性だって・・・。
まあ、これは少し言いすぎかもれないが・・・。

定額給付金は、どう考えても目的も効果もあいまいで、ほころびばかりが目立つ。
ターゲットもはっきりしない。
経済効果なんて、大いに疑問だ。

麻生政権は、経済効果より“選挙効果”にねらいをつけているいるようだし、カネさえバラ撒けばオレたちの天下だと思っているのかも知れない。
これが、日本の「政治」なのだ。

でも、すったもんだの末に、一応決まったかに見えるこの定額給付金、さて期待できるのだろうか。
国民の信も得ない麻生内閣は、この政策を目玉とした第二次補正予算なるものを、今国会に提出せず、来年の通常国会に先送りすることにした。
政局(解散)よりも、「景気対策」と言っていた筈なのに・・・。
これでは、な~んだということになる。

定額給付金を実現させるには、埋蔵金を、国の借金返済とかではなく、景気対策に回すようにするための法改正が必要なのだから、野党が反対すれば、年度内の給付の公約が守れないことだってありうる。
麻生政権が、どこまで持つか。
マスコミの調査で、内閣支持率が30%を切って、急落した。
こんな危険水域で、惜しげもなく(!)醜悪な姿をさらして、国民不在の政権がまだ続いている。
何もかも波乱含みの展開の中で、解散に追い込まれたときは、衆議院差し戻しでの法案成立も危うくなる。
そのときは、定額給付金は、実現不可能な幻に終わるかも知れない(?!)

それに、埋蔵金って、どこまで頼みに出来るのだろうか。
頼みにしたツケは、あるいは増税というかたちで、後から国民に跳ね返ってくるようなことはないだろうか。
何やら怪しげな、“選挙買収資金”など、あまり当てにしない方がいいかも・・・。
先行きは、あくまでもまだ不透明だ。

早いもので、今年もだんだん押しつまってきた。
北国から、雪の便りが届いている。
落ち葉の季節が終わりに近づき、肌を刺す風も冷たい。
そればかりではない。
いま日本列島が、がたがたと震えている・・・。