徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

ジョー・オダネル 「ヒロシマ・ナガサキ」 写真展

2008-06-09 21:00:00 | 日々彷徨

ジョー・オダネル氏は、占領軍のカメラマンとして、広島、長崎その他、空爆による日本の被災状況を記録する任務について、終戦直後の日本へ上陸した。
1945年9月のことである。

軍務として、公式写真を撮るとともに、日本で入手した、私用カメラを自分の“心の眼”として、戦争に巻き込まれてしまった一般市民の姿を撮った。

1949年7月から、アメリカ合衆国情報局に籍を置き、ホワイトハウス付きのカメラマンとして、トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソンの五代の大統領に仕えた。
彼は、2007年8月9日、くしくも長崎の原爆投下の日、アメリカ・テネシー州ナッシュビルで86歳の生涯を閉じた。

そのジョー・オダネル氏の写真展を覗いて見た。
会場には、終戦直後の、佐世保、福岡、広島、長崎などの空襲による被害状況を記録した、アメリカ海兵隊カメラマンの、非公式写真50点が展示されている。

例えば、ジーニー・デューパーという修道女の作品で、火傷を負った男性が十字架を背負っている等身大の彫刻「ただ一度(“ONCE”)」は、キリストを思わせるその男性の体に被爆者の写真が焼き付けられてあった。
被爆地長崎の写真は、変わらぬものは山々と空だけだったし、怒り狂ったような雲、人気のないビル、裸の木、・・・、それらは、呪われた町の空虚を不気味に写し出している。

これらの展示は、時を超えて、人々の心を打つ貴重な記録として、注目される。
ジョー・オダネル氏の、生前の言葉だ。
 「我々の真の敵は軍隊であり、一般市民ではなかった」
最終的には、彼は、日本人を敵としてではなく、人として理解するようになっていたのだった・・・。

     日時  6月7日 (土)~7月13日 (日)  10:00 ~ 18:00  
     場所  地球市民かながわプラザ3F 企画展示室(月曜休館) 
                                               (JR 本郷台駅 徒歩3分)  
     電話  045-896-2899     ー 入 場   無  料 ー

  ※  この他にも、講演会、映画会「ヒロシマ・ナガサキ」など、関連企画がいろいろとあるようです。
     とくに、7月6日(日)上映予定の、スティーブン・オカザキ監督のアメリカ映画「ヒロシマ・ナガサキ」は、アカデミー
     賞ドキュメンタリー映画賞受賞歴のある監督自らが、日本で500人以上の人に会い、原爆投下に関与した4人の
           アメリカ人の証言を軸に、貴重な映像や資料を交え、25年の歳月をかけて完成した、この渾身の作品に注目です。
     事前申込制・無料だそうです。
     これらの詳細は ジョー・オダネル「ヒロシマ・ナガサキ」写真展 へ。