ウォーレン・バフェットの過去の株主への書簡を読んでいて次のような一文にショックを受けた。
「老後の生計に当てるため老後年金の運用には国債を中心としたポートフォリオを組むのが通例になっている。特に日本、ドイツのように国債に偏った運用ではインフレによる通貨価値の下落を穴埋めして将来の生活費を補填するのが難しい世の中になってきた。このような問題を解決するには、現在の年金運用の常識だけでは打破でできない」というのがバフェットの無言の行動である。
バフェットが経営するバークシア・ハザウエイのこれまでの生い立ちは資産投資会社から始まり、現在は保険会社の形態で運営されおり、バフェットの得意とする株式を中心にした資金運用で成長路線を走る。傘下には国内の鉄道・運輸業界を大黒柱に、そこへ株式投資での運用で収益構造がからんでいる。
現在の運用の大黒柱は米国を代表するアップルでポートフォリオの40%を占めるという異例で常識破りの運用である。本来なら特定の銘柄に集中するのは投資の原理原則ではないはずだが、非常識な行動をバフェットはとったが、それを批判する向きはみられない。
日本株の投資に足を踏み入れ、大手商社に集中投資したが、その後は日本での投資銘柄を拡大する気配は全くみられない。日本の総合商社のビジネス・モデルが世界に類例のないユニークな点に注目した。熟考して結論を出したら、思い切った行動に出るというバフェット流の運用である。投資の神様といわれるのがよくわかる。
90歳台の年齢でいまなお第一線に立って行動する姿は、投資の神様ということばがピントくる存在である。