日米とも方向感をつかむのが難しい相場展開である。
昨日のNY株のダウ平均は一時、10147ドル(-124ドル)まで下落したが引けは10214ドル(-57ドル)で終わった。
7月に月間で+7%上昇した相場とは明らかに異なる。また月末に大幅に下落した6月相場とも異なる地合いである。
下値には押し目買いが入るからだ。それがショート(カラ売り)の買い戻しであるのか、押し目買いであるのかは不明である。
このような相場展開に、注目される運用者がしばらく運用をストップすることを決めた。ヘッジファンドのパオロ・ペリグリニである。彼はジョン・ポールソンのヘッジファンドを世界一の規模にした影の立役者である。ポールソンは2007年からサブプライム関連の商品をショートしはじめ、年間で4000億円を稼いだ。実質的には部下のペリグリニの洞察力があったのは有名な話である。その後、独立して自分でファンドを立ち上げ昨年は+62%のパフォーマンスを上げた。しかし今年は7月までに-7.9%(この間、S&P500は-1.3%)。
別にわれわれからすると問題にすべきパフォーマンスではないが、運用をストップして資金を返還することを決めた。
本欄の19日の原稿でソロスの片腕であったドラッケンミラーが、やはりファンドを閉じることを決断したことは書いた。
この2人の行動をみて考えさせられるのは、現在の世界の投資環境である。ヘッジファンドが得意のショート戦略が効果を上げなくなったが、だからといってロング(買い)も難しくなった。
この2人の天才の行動からなにをくみ取るべきなのか?