NY株は大幅高したあと一服。
米国経済の成長の大動脈は消費だ。GDPの70%を占めるが、その動向が景気の行方のカギを握る。
個人消費(6月)の主要指標2つが発表になったが、個人所得、消費ともエコノミストの事前予想を下回った。また工場受注、中古住宅の指標も不振。このままでは自律回復の軌道から外れるという懸念が頭をもたげた。
今週初め、バーナンキ議長はサウスカロライナで講演し「個人消費が確実な回復軌道に乗るには向こう数四半期はかかる」と、現状に懸念を表明した。来週10日(火)の連銀FOMCでは追加の金融緩和政策の発動を示唆した。
景気の先行き不透明感の強いなかで7月のNY株が世界の株価の中でも際立った反騰をみせたのは新しい景気対策への期待である。
これに引き換え東京市場の方は全く不振。本日の日経新聞には松井証券の松井社長の「足元の状況といえばデフレ下で株式が頻繁に売買されることはなく、開店休業のような状況」という声は、現在の東京市場での相場分析には謙譲に耳を傾けたい。
相場の潤滑油である個人の資金が日本株だけではなく、中国株などエマージング市場などからも離散している。
それではなぜウォール街の相場には柔軟性があるのか?
政府が消費の動向に細心の注意を払って、不振なら行動を起こすことを考えるからだ。資本主義のメカニズムを十分に熟した政策当局への信頼感がある。
今週の米バロンズ誌には“日本株の魅力”という外人からみた東京市場論が掲載された。こんな見方もあることには耳を傾けたい。