世界中が期待の目で見てきた昨夜の米連銀FOMCであったが、事前に予想された政策の選択肢のうち「満期で償還される住宅担保証券の資金で国債を買い付ける」という政策で落ち着いた。今回の金融政策では新しく追加された手段である。
連銀は“生産、雇用の回復には鈍化の兆しある”と、このまま放置すればダブルディプに落ちることを認めた。これまで買いつけた担保証券は1兆2500万ドルにのぼる。
この政策の決定を市場は評価した。NYダウ平均が一時は1万552ドルまで下落していたが、引けでは54ドル安の1万644ドルまで戻した。
7月にはFOMCは開催されなかったが、この間、連銀の分析によると景気の鈍化の兆しが明確になってきたという。
決定は賛成9対反対1で可決された。
市場の懸念を中央銀行は共有した。
われわれの関心事は先行き相場の展開がどうなるかである。
ダブルディツプ論が出たが、マクロの数字は好調である。企業収益は予想を上回る展開を続けているし、7月の株価は7%も上がった。昨日のVIX(恐怖)指数は小動きであった。
ただ世界の景気の回復を支える米国経済は小康を保つとして、問題の火種は中国に移る。昨日は上海市場が急落した。
当面は不透明な環境が続くことは確かでる。