NY株は反落した。この日は3つの主要な景気指標が発表になり、それに大きくネガティブな反応をした。週間の失業雇用保険件数、フェデラルフェア連銀指数、景気先行指数がいずれも予想を上回る悪い数値であった。
われわれの関心事は円相場であるが、海外では一時は84円台に突入したが後半は戻し85円台で引けた。日銀の為替をにらんだ金融政策の発動を相場が気にしている。
7月末に「米国は日本式のデフレに直面」という主張をして話題になったブラード・セントルイス連銀総裁がさらに追加の国債買上げを主張した。その言動をみていると連銀議長に就任前のバーナンキ議長を彷彿とさせる。ここへきてメディアが急にその言動に注目を始めた。政策決定の議決権をもつだけにその発言は重い。
マクロ面では別にしてインテルがウィルスソフト対策の大手マカフィーに77億ドル(6500億円)の資金を投じて買収を決めた。時価の60%上の買収金額である。
注目されるのは140兆円の手元流動性をもつ米国企業が動き始めたことだ。
「ここでインテルがビジネス上では買収の必要はないが、資金運用の一環だ」とみる向きも多い。
マカフィーの総利益率は75%と高い。インテルは手元に1兆円以上の資金を眠らすよりも大きなキャシュフローを生み出す企業に注目した。株式市場では資本の論理が動いている。
日本の経営者には欠けている行動である。