注目の米雇用統計(7月)は失望に終わった。月間の経済統計では目下のところ最大の関心がもたれている数字であるが、非農業部門の雇用は13万1000人減少した。
事前の予想は6万人であったので、予想に比べての落ち込は大きい。期待された第2四半期の業績は日米とも事前の予想を大きく上回ったが、材料としては7月の相場に織り込まれた。
7月の日経平均は+1.6%であったが、NYダウ平均は+7%であった。こと米国株に関しては株価が好調な業績を織り込んだといえる。それに引き換え東京市場のもたつきは円相場の上昇である。昨日のウォール街では円相場は高値を更新、逆にドル相場は“完全に弱気相場にはいった”という見方が出て安値になった。
NY株の動きをみていての救いは、昨日もNYダウが一時は大幅な下落をしたが引けでは戻したことである。この動きは弱気相場であった6月相場との大きな違いである。
先にも書いたように著名な投資家であるビル・ミラーは「米国経済の70%を占める消費の不振が景気の先行きに不安を呼んでいるが、株安が消費の足を引っ張っている」とみる。最近の米国の貯蓄率は上昇している。
目先の焦点は来週10日の連銀FOMCでバーナンキ議長がどんな対策を打ち出すかにある。金融緩和策の発動は確実で、それが現在のNY株の底堅さの理由である。
追いかけて日銀も一段の緩和策を打ち出す可能性が高い。