年内にあと13銘柄がIPO(新規公開)される。そのうち今週は明日から週末まで9銘柄である。まさにラッシュである。今月のIPOの3分の1が集中する。新興市場フアンにとっては超繁忙である。
分析していると久しぶりに手応えを感じる銘柄も出てきた。20世紀が生んだ偉大な投資家の一人であるビル・ミラーは徹底したファンダメンタル分析で銘柄を選択するが、2兆円以上の資金を運用しながら「これぞ」と思うIPO銘柄にも、ためらわず投資する。その天才的な投資家でもIPOでの有望銘柄の発掘には苦労している。シェイクスピアの代表作「マクベス」のなかの次の一文を引用して、その難しさを表現している。
「もしもお前ら、時が何を身ごもっているかが見通せて、どの種は芽を吹きどれが実らんと分かるものなら教えてくれ」(木下順二訳「マクベス」・岩波文庫)。これは、劇中の主人公の一人が出合った魔女に呼び掛けることばである。
分析する時はいつもこの言葉が頭に浮かぶ。今月は私が利用している理論株価の確率が多少は上がってきた。価格形成に合理性がやや出てきた感じである。
本欄でこれまで注目してきたACCESS(4813・マ)が15日の決算発表で2007年1月期の業績を減額修正した。当日、アナリスト向けの緊急の説明会を開き、本日は予定通り恒例の決算説明会を開いた。大手証券、外資系証券のアナリストの大半はレーティングを据え置き「買い」か「中立」とした。今週の「トリトンスクエア通信」で分析のコメン書く予定である。