ZENZAIMU(全財務公式ブログ)

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わが国のFiscal Cliff

2012-10-26 23:52:33 | 日記
Fiscal Cliff=“財政の崖”。最近よく耳にする言葉です。アメリカの財政が2013年1月から急速に引き締められることを表現した言葉です。年明け以降、2,200億ドルもの包括減税(いわゆるブッシュ減税)が失効し、10年間で1兆2,000憶ドルに及ぶ連邦予算の強制的な歳出削減がスタートすること等から、アメリカ経済が急速に収縮することが懸念されています。

“財政の崖”にはわが国も直面しています。本日開催された国債市場特別参加者会合において、理財局は「特例公債法案が成立しなければ、12月以降の国債発行を停止する」と表明したようです。国債が発行できなければ公共事業の発注停止等のレベルではなく、政府機関の閉鎖といった事態が生じかねません。社会・経済に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

そして、われわれ政府職員にとっては、期末勤勉手当や月例給の支払い遅延といった事態に発展する可能性があります。現在、平均で7.8%もの給与減額措置が実施されており、ただでさえ生活が苦しくなっているのに、年末に一時金や給与が受け取れなくなれば、文字どおり「生活破壊」に直結してしまいます。地方交付税交付金を受け取れなくなる自治体職員の家庭も「生活苦」に陥るはずです。全国の公務員が一斉かつ極端に家計支出を切り詰めたら、地域経済はどうなるでしょうか?

来週の月曜日には第181臨時国会が召集されますが、11月末までの会期中に何としても特例公債法案を成立させるべく、ここは労働界、経済界を問わず、繰り返し与野党に妥協を働きかけるべきではないでしょうか。

石原慎太郎都知事が新党結成を表明し、「近いうちに」実施される予定の衆議院議員総選挙を巡る情勢は一層、混沌としてきました。このように政党が乱立すると、来夏の参議院議員通常選挙を経ても、単独で衆・参両院の過半数を制する勢力が現れる可能性は極めて低いはずです。衆・参で多数派が異なった場合に、どうやって政府の運営を安定させるのか。政治家の皆様には、真剣に議論し、智恵をしぼっていただきたいものです。現に、わが国の政治の混迷を嘲笑うかのように、わがもの顔で領海侵犯を繰り返している国が目と鼻の先に存在しているのですから。

【ふく福】