ZENZAIMU(全財務公式ブログ)

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久々に労働基本権について考える

2012-06-08 22:21:40 | 日記
定期大会に、国家公務員制度改革関連4法案に、人事異動に、アウン・サン・スーチーさんの演説に、結婚式に・・・いろいろ迫ってキター。

さて、そんななか、ブログの終わりも見えてきたので、たまには(・・・って前にあったっけ?)まじめに考えてみたい。労働基本権のことだ。

イギリスから始まった産業革命を契機に、劣悪・苛酷な労働を強いられてきた労働者が、わが身を守るため長い年月を経て勝ち取ってきた権利なのであり、また憲法第25条の生存権を労働の面から保障しようとするもので、人間に生来的で、歴史的に大変意義がある超重要な権利、それが労働基本権である。その重要さゆえに、わざわざ憲法第28条で規定しているのた。なお、その実現も個人だけでは困難であるという歴史的経験を踏まえ、労働組合の存在がある。そんな人間に生来的で歴史的にも大変意義がある権利が、いわばアメとムチで、給与削減と引き換えに回復というのは、その意義が軽視されているようで少し残念でならない(まっそうでもしないと回復できないという現実が悪いわけで・・・)。
では、なぜ、そんな重要な権利が公務員は制限されるのだろうか?そこで、有名なのが「全農林警職法事件」だ。そもそも、この判例では、公務員も労働基本権の保障は公務員にも及ぶとする。しかし、『公務の停廃は、国民の共同利益に重大な影響を及ぼす』、『給与や労働条件は国会が決めるので、政府と使用者とで勝手に決めると、議会の存在意義が失われる』、『民間と異なり、公務員に争議行為に対しては、市場の抑制力が働かない』、などとして、労働基本権の制約を合憲とした。つらつら不都合のみを挙げて、結局全面的に制限禁止を合憲としたが、だったらいっそ、公務員には保障は及ぼさないといっちまった方が楽なのでは、と自棄を起こしたくなる。
さらに、その代わりとして、職員団体との交渉権を認めているとか、人事院勧告制度もあるとか(そういえば、代償措置にすぎない人事院勧告よりも、団体交渉権の行使である労働協約を尊重することが憲法上の責務ではないですか)フォロー制度充実を理由に挙げている。
結局のところ、(この判例以前は、制限を限定的合憲としていたが、本判例はそれまでの判例を変更するもので、この判例自体8対7という微妙な関係で判例を変更しており、批判が多いが、今もこの判例をもとに)一律制限を合憲としている。
そんなこんなで、今まで制約され続けてきた労働基本権がいよいよ戻ろうとしている。かなり画期的なことだ。法律オタクとして、しっかり行く末を見守らなければ!・・・んっオタクとして?

[A.Okada]

(次回予告)
「結婚前夜・・・独身最後に語る」の巻
独身男性は、結婚前夜に何を考えるのか!?