年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

2009-08-09 10:31:15 | Weblog
 何年前のベストセラーだったんだろうか、東京都知事・石原慎太郎さんが書かれた「弟」という本。兄弟愛が最初から最後まで書きつなげられた内容であったように覚えている。裕次郎のように生きたい、と毎日つぶやいているご近所のHさんは、都知事の弟の裕次郎を尊敬しているらしい。Hさん自身田舎にお兄さんを1人持っていて、裕次郎と同じ弟の立場であるが、ここ最近お兄さんとうまくいってないことが多いようで、兄を責め自分を責めていられる。それで、石原兄弟のようになるのが理想だとも言っている。
 私にも1人の弟がいる。大阪で過した学生時代の4年次から身体のどこかがいつも故障をしていて、入退院を繰り返している。弟が40歳になった時、腎臓が機能しなくなった。そして腕の中を通る動脈から静脈にバイパスを作る、いわゆるシャントの手術をして以来人工透析をしている。週3回、5時間くらいしている。独身の弟にとって、今のところ透析を受けることが自分のすべての仕事である。いつもの日曜日の朝、病院の送迎での車中で、弟は、満足に歩行もできなくなった状態のまま向こうに行くんだろうなぁ、とつぶやいた。私は、バックミラー越しに、どうしようもない身体を呪うことはないかと、聞いた。すると、いや、乗り越えた、もうそのような苛立つ感情はない、ありのままの今を受け入れている、と笑顔で答えた。車椅子に乗せて透析室に入る。(写真)弟の名札が付いている自分専用のベッドで、以前に比べると格段に小さくなった透析機器の音を聞きながら今日も9時から14時まで寝っ転がる。