YS Journal アメリカからの雑感

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黒檀、紫檀

2011-08-26 14:27:32 | 新聞、雑誌から
本日の WSJ の記事 "Guitar Frets: Environmental Enforcement Leaves Musicians in Fear" によると、今週、ギターメーカーの Gibson の工場と事務所に U.S Fish & Wildlife Service のガサ入れが入ったらしい。

2008年に強化された Lacey Act という絶滅の危機にある樹木の保存に関する条例の違反があったのではないかと、疑われているらしい。(Gibson は合法的に入手したものであると主張している)

この条例のおかしい所は、世界中(アメリカだけではなく)の保護区から切り出した材木については、2008年以前のものであっても、伐採及び輸入の書類がないと違反になるそうだ。滅茶苦茶である。

高級なギターの指板(フレットボード)には、マダガスカル産の黒檀(Madagascar ebony)、ブラジル産の紫檀(Brizilian rosewood)が使われるので、狙われたようだ。

絶滅種の保存に熱心なギタリストは多いらしいのだが、いざ自分のギターになると、同じ音が出なくなるといって、プラスチックなどの代替品への切り替えを拒絶するケースが多いらしい。ギターメーカーも大変だ。

記事の中で、法学部教授でありギタリスト(絶妙のコンビネーション)が、「所有しているビンテージギターに対象になる木材が使われている可能性もあるし、勿論書類などないので、(入国時に)摘発されるのが怖くてアメリカ国外に持ち出せない」とのコメントを出していた。罰金は $250 だが、もし違反してればギターは没収となるとの事。

日本のミュージシャンの皆様、もしビンテージギターを抱えてアメリカに録音とかに来る場合は、お気を付けあれ。