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The Big Mac Index

2011-08-13 18:59:04 | 経済の話題
The Big Mac Index は、為替レートをビッグマックで検証する指標である。The Economist が考えだし、今年で25年になるそうだ。(最新のデータは、こちら

知らない間に、一人当たりの GDP の調整を加味した指標も追加されているが、やっぱり、注目は Raw Index であろう。

やっぱり一番気になるのは円ードルであるが、現在の為替がピッタリ The Big Mac Index と一致している。(一人当たりの GDP も同レベルなので、調整してもほぼピッタリ)こんなにピッタリした事は、初めてとの事だ。

これの意味合いは非常に重要な気がする。現在、未曾有の円高(特に対ドル)という認識があるが、実は、適正なレベルである可能性を示唆している。もし、そうだとすれば、今更、円高で国際競争力が無くなっていると嘆く事は、全くナンセンスという事になる。

(個人的には、数年内に日本国債の暴落による円安を予想しているのだが、突発的な大事件(?)がなければ、現在の為替レベルは普通と考えた方が良さそうだ)

80円を切っての円高が続いているのだが、いつもの様な大騒ぎになっていないのは、この円高レベルを輸出企業は時間を掛けて覚悟して来ていたからではないかと思う。つまり、日本での製造業は競争力が無くなっていると言うコンセンサスは出来ており、例えば、最近の自動車会社の積極的な海外展開は、成長が期待される地域への展開と考えていたが、それは表層的な事であり、根本的には日本脱出の意味合いが大きいのではないか。

これ以上の円高にオーバーシュートするとは考えられないので、いろんな物の値段が国際価格に近づく事をデフレだと感じていたが、今後は、ちょっとした石油、穀物、その他の原材料等の高騰が、インフレに直結すると思われる。(金利の動きに注目して、アメリカが、日本と同じ様になると言う議論が多いが、デフレの危険性が無いので、杞憂に終わると思う)

その他を眺めてみると、中国元やインドルピーがやっぱり為替安である。でも一人当たりの GDP で調整すると、アメリカの生活と遜色なくなる。こう考えると、アメリカは、中国、インド並みの生活という事になってしまう。(そう考えると、やっぱり GDP で調整した指標の意味はなさそうだ)

世界的に一番お得そうなのが、台湾、香港であろう。一方で、ユーロがボコボコになったお陰で、スイス、スウェーデン等の通貨は、過大評価をされているのがよく分かる。

子どもにせがまれて、結構マックに行く事が多いのだが、バーガーを食べるのなら Big Mac では無く、Angus Burger をお勧めしておこう。(日本では販売されていない様だ)圧倒的に美味しい。価格は、ちょっと高かった様な気がする。