行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

大金鶏菊・菊芋擬

2011-06-30 22:03:10 | 花,植物
5月下旬から6月に花をつける,
いまや野の花となった黄色の花,大金鶏菊と菊芋擬です。
両者ともよく見るときれいな花です。




夏の初め,梅雨入りとほぼ時を同じくして,
造成地や野原の一角が金色に染まります。
大金鶏菊(オオキンケイギク)が一斉に咲いたのです。
キク科の多年草,北アメリカ原産のこの花,
栽培用に導入されましたが,花が美しく丈夫なこともあり,
造成地の法面の土止め,装飾目的に幅広く播種されました。
それがいまや,野や空き地などを覆いつくすほど増えてしまいました。
日本の環境に極めて適応したようです。
在来の植物を阻害するということで,今は特定外来生物に指定され,
栽培,移植などが禁止されています。
しかし,今も夏の訪れを告げるように毎年金色の花が野を覆います。




菊芋擬(キクイモモドキ)です。
これも北アメリカ原産のキク科の多年草,
オオキンケイギクより1月ほど遅れた6月中下旬に咲き出します。
菊芋によく似た黄色の花を咲かせるのでその名があります。
菊芋は根塊(芋)ができるが,こちらはできません。
別名としてヒメヒマワリの名があるようです。
写真は長い間放置されている造成地にて(6/19),
オオキンケイギクほどの勢いはありません,野生化しています。

丘上に夏のおとずれ大金鶏菊
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6月の果実4点

2011-06-29 18:48:41 | 花,植物

公園のはずれに10本ほど並んだ木に
写真のような果実がたくさん付いていました。
一つとってかじってみました。
ちょっとした酸味がありますが,このまま食べることもできそうな果実です。
最初はなんの実かなと思いましたが,多分杏(あんず)です。
すると,桜よりちょっと後,ここには美しい杏の花が咲いていたはずです。
気がつきませんでした。


12月ごろに花を咲かせていた枇杷,
6月になり果実が食べごろのようです。
庭からはみ出し道路になっていた枇杷の実です。


まだブルーにはなっていないブルーベリーの成熟前の果実のようです。
たくさんの果実がそろって花のようにきれいです。


梅畑の梅の実です。
うっすらと赤みを帯びたもの,まだ青いもの,
梅の実の色がこんなにきれいなものとは気がつきませんでした。

「青梅の臀(しり)うつくしくそろひけり」(室生犀星)
こんな句を思い出しました。
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6月は巣立ちの季節

2011-06-28 21:50:39 | 
4月,5月が多くの鳥たちの繁殖期のようです。
そして6月,雛たちが巣立ちを迎えていました。


6月12日に掲載したカルガモの雛,
その雛を見た二週間後,同じ場所へ足を運んでみました。
いましたカルガモの親子が,5羽いたはずの雛が3羽になっていますが,
二週間前に比べ雛鴨はずいぶん大きくなっています。
泳ぎもずいぶん上手になり,水しぶきも少なくなったように思えます。
ここまで大きくなれば大丈夫, 立派な成鳥に育っていくことでしょう。


カルガモのいる川に面した畑,
そこの片隅に放置された資材置き場に
ハクセキレイが声をあげてとまりました。
なかなか小鳥が撮れず退屈もしていたので,
シャッターを押して見ました。
撮った後に液晶を見ると,資材の中にもう一羽ハクセキレイがいます。
親鳥に比べ体色が薄いところから多分,ハクセキレイの幼鳥と思われます。
ここで雛が生まれ,巣立ちのできない幼鳥が
まだ一羽残っており,親鳥が励まし,見守っていると想像してみました。


散歩をしていると,少し前の道路に5,6羽で降りたカワラヒワ,
一瞬だったのでこの一羽だけしか撮れませんでしたが,
これも巣立ちして間もないと思える幼鳥のようです。
全体的に体色が薄く,頭の毛がまだ落ち着いていません。


これは生まれて間もない雀,羽がまだ濡れています。
幼鳥とも呼べないまったくの雛鳥です。
まだ飛べない状態で巣から離れてしまったように思えます。
チュンチュン鳴きながら路上にいました。
親鳥を探しているのでしょう。
どうしようかと思いましたが,
車に轢かれないように道路の端に動かしてやり,その場を後にしました。
2時間後,戻ってみたときにはいませんでした。
無事に親鳥に探してもらえたのでしょうか。

雛鴨のみるみる子鴨に育ちけり
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四十雀の幼鳥

2011-06-27 22:03:19 | 

林間のあちらこちらに
数羽の小鳥かツーツーと声をあげながら,
木から木へと忙しく動きまわっているのがよく見られました。
多分四十雀(シジュウカラ)と思われます。
草陰から木陰と飛び回り,動きが早く,
ピントを合わせる間がありません。
そんな中,一羽だけ群れから離れ,枯れ木に留まってくれました。
その写真を見ると羽色はシジュウカラ,
しかし,どこか違うようにも思えます(6/12撮影)。


羽色全体が薄く,真っ黒なはずの頭部がグレーです。
いつもはその黒に隠れてなかなか写らない眼もしっかり確認できます。
シジュウカラの特徴である胸から腹への黒帯もほとんど見られません。
尻尾もきちんと生えそろっていません。
嘴も黄色い部分があります。
これはシジュウカラの幼鳥,巣立ちして間もない幼鳥のようです。
動物の赤ちゃんはどれもしぐさが可愛らしいもの,
このシジュウカラの幼鳥もとても可愛らしいしぐさでした。


別の群れのシジュウカラも撮れました。
上のものに比べると巣立ちしてからの日数が経っているように思えますが,
これも羽色は今年生まれた幼鳥です。
シジュウカラは一度に8~10ほどの卵を産み,
5月~6月に孵化し,18~20日ほどで巣立ちするようです。
10羽程度で群れていますので,みんな兄弟どうしかも知れません。


同日,自宅付近,
蕾をたくさんつけた夏椿にとまる成鳥のシジュウカラです。
幼鳥と比べると頭の黒が濃く,羽色がはっきりしています。

巣立鳥なにがうれしや木々巡る
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初夏の川蜻蛉

2011-06-26 21:27:15 | 昆虫
親水公園として再生され,6月初旬にはホタル鑑賞会も毎年催される稲城上谷戸川,
そこにわずかに残された川辺,
6月初旬から中旬,その川辺付近で撮った3種のトンボたちです。


翅の一部が橙赤色の美しいトンボです。
ニホンカワトンボの雄と思われます。
ニホンカワトンボはオオカワトンボとも呼ばれ,
やや流れのある川を好むカワトンボのようです。
翅が橙赤色なのは雄,成熟していくとこの色がより濃くなっていくそうです。
写真のものはかなり濃い橙赤色になっています。
十分成熟した雄の個体のようです。
雌の翅は無色透明です。


ショウジョウトンボです。
漢字では猩々蜻蛉と書きます。
猩々は真っ赤な毛に覆われた猿に似た伝説の生き物,大酒飲みの意味もあります。
猩々緋とは黒みを帯びた鮮やかな深紅色です。
つまりこの猩々は真っ赤という形容詞のような働きをする言葉となります。
そのとおりに全身が真っ赤なショウジョウトンボの雄が
川辺の草にじっと,とまっていました。
雌はこんなに真っ赤にはならず,橙色程度の赤だそうです。
ショウジョウトンボは赤トンボには違いありませんが,
一般にアカトンボといわれるナツアカネやアキアカネなどとは習性が異なり,
アカネ属ではありません。




川から少し離れた草の中にハグロトンボを見つけました。
翅が黒いところからそのまま羽黒蜻蛉です。
これもカワトンボの一つですが,羽化後間もない若い個体は薄暗い場所を好み,
川から離れた林間などに生活する習性があります。
すると,体色から考えて,これはたぶん若い雌の個体です。
雄の体色はもっと鮮やかな緑色の金属光沢をしています。
成熟するとまた川に戻り生活するようになります。

川蜻蛉眼だけ動かす葉影かな
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川を覗くけば,鯉の産卵?

2011-06-25 15:55:50 | 風景
稲城市の中心を流れる三沢川を覗くと,多摩川から上ってきたのか,
緋鯉も見られますので,放流もされたのでしょう,
たくさんの鯉が川を泳いでいます。


写真,浅瀬にゆっくりと泳いでいた中型の真鯉たちですが,
よく見ると,体色が3種類あることに気がつきました(6/4)。
①黒に近い色のもの,②黄褐色のもの,③その中間,濃灰色のものです。
大きさはほぼ同じですので,同じ年代のものと思われます。
放流されたものと,野生種の違いなのか,
それとも人間と同じように,真鯉でも体色がいくつか存在するのか,
興味があるところです。


たくさんの大型の鯉が10匹以上一箇所に集まり,
争っているように水際でばたばたと尾びれを打ち,水しぶきをあげていました(5/14)。
これ鯉の産卵のように思えます。
そうだとしたら,雌はどれでしょうか,残りは全部雄なのでしょうか,
疑問そして興味があるところです。
いずれにしても,大きな鯉がこれだけ集まり,
一斉に暴れると水しぶきもすごく,インパクトがあります。
よくみるとこの鯉たちも,体色が黄褐色ものと濃灰色もの2種類あります。


この川にいるのは鯉だけと思っていましたが,
鯉に比べるとほっそりとスマートな魚がいました(5/14)。
いつもは三沢川では見ない魚です。
ウグイのようです。
これはたぶん多摩川から上ってきたものでしょう。
よく見るとうっすらと赤く婚姻色が確認できます。
産卵場所を求めて上ってきたのかも知れません。


最後にこんな生物も泳いでいました。
シマヘビでしょうか。
ちょうどカルガモの雛が孵化するころです(6/4)。
餌を探しているのでしょう,草に隠れ隠れ泳いでいます。

競い合う鯉の産卵すさまじき
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6月,山野の白い花

2011-06-25 00:06:58 | Weblog

稲城中央公園の林間の斜面に白い小さな穂状花を見つけました。
よく似たものにトリアシショウマといわれるものがありますので,
少し不安はありますが, たぶん赤升麻(アカショウマ)と思われます。


山地や丘陵の林縁,半日陰の場所によく見られるユキノシタ科の多年草です。
花は白色ですが,根茎が赤みを帯びているのでアカショウマの名があります。
この赤みの成分に脂肪吸収抑制効果があり,
最近,健康食品素材として注目されている植物だそうです。


やはり白い小さな花がたくさん咲くノコギリソウです。
葉が鋸歯のようにぎざぎざ状であり,この名があるようです。
葉を見れば一目でわかる花です。
キク科ノコギリソウ属の多年草です。
元来は高原などに自生する野草,
しかし園芸用に持ち込まれたセイヨウノコギリソウが
かなり野生化をしているようであり,
写真は撮影場所から考えるとそのセイヨウノコギリソウの野生種でしょうか。



上は昨年9月霧が峰で撮影のノコギリソウ,
こちらは場所から,たぶん日本の自生種と思われます。

さみしきや花は白きに赤升麻
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麦仙翁と矢車菊

2011-06-23 22:39:02 | 花,植物
麦仙翁と矢車菊,細茎をまっすぐと伸ばし,
5月の中ごろ,茎頂に花をつけます。
両者とも花色はパステルカラー,群生して咲くのも似ています。
さらに両者ともヨーロッパ原産で,
もともとは麦畑に生える雑草であったことなどの共通点が多くあります。




矢車菊(ヤグルマギク)キク科,
ヤグルマソウとも呼ばれますが,
ユキノシタ科の植物にこの名のものがあり,
ヤグルマギクと呼んだほうが混乱がないようです。
明治の初期から中期に日本に渡来している日本でもなじみの深い花です。
ドイツの国花だそうです。




麦仙翁(ムギセンノウ)ナデシコ科,
麦撫子(ムギナデシコ)の別名があります。
やさしさを覚える花です。
細い茎には大きめな花,
少しの風にも揺れ続け,
ビントをあわせるのがたいへんです。

狭庭や一輪咲けぬ矢車草
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ドクダミ科

2011-06-22 22:17:04 | 花,植物

6月になり,ドクダミが道端,庭の隅などに真っ白な花を咲かせています。
6月から都心に転勤になり,毎日通勤で歩く東京の真ん中にも,
ちょっとした空き地にこの草だけが密集して咲いているのをよく目にします。


半日陰などの場所では,とても生命力の強い草のようです。
この真っ白な花びらの実は総苞,花は真ん中の穂状部になります。
また,この草の臭さは相当なものです。
先日の清掃デイのこと,刈られた後のこの草をかき集め,
ゴミ袋に入れるだけの作業でしたが,
5,6時間は体からあの独特の臭いが消えませんでした。


これだけ強い臭いだからでしょうか,
この臭いの成分にいろいろな薬効があるようです。
ドクダミは十薬と呼ばれ,日本薬局方にも収録されている重要な生薬なのです。


半夏 (烏柄杓)が生え出る時節を半夏生と呼びます(昨日の本ブログ参照)。
写真の植物,その半夏生のころに花をつけるので
半夏生と名がつけられています。
今年は梅雨入りも早く,夏が早いようです。
夏至の前にもう半夏生の葉が真っ白となっていました(6/19)。

半夏生の別名は片白草と半化粧,この植物の外見上の特徴がよく表されています。
花が咲くころになると花のそばの葉が真っ白に変わります。
花に向いた片面だけが白くなるので,片白草です。
葉の半分(片面)が白粉を塗ったようになるので半化粧です。
地味な花穂以外に共通点が見つかりませんが,
この植物,ドクダミと同じ,数少ないドクダミ科の植物なのです。

どくだみやビルの闇間の白十字


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烏柄杓に浦島草・蝮草

2011-06-21 23:08:29 | Weblog

なかなか花とは思えない形をしていますが,
これは烏柄杓(カラスビシャク),別名は半夏(ハンゲ)の花です。
緑の仏炎苞の中に花序が存在します。
柄杓に似ていて,烏が使うように小さいので烏柄杓です。

夏至から11日目となる雑節半夏生はちょうどこの半夏が生えるころ,
そこで半夏生と呼ばれるようになったといわれています。
地下茎は重要な生薬であり,半夏の名で漢方薬などに使われています。
北海道から九州まで,畑などに普通に雑草として見られるようです。
写真は,半夏生より一月ほど早い6月初旬,多摩市にて。


烏柄杓と同じサトイモ科で,仏炎苞や長い糸などがよく似ている
浦島草(ウラシマソウ)です。
ウラシマソウの名は花のその長い糸を
浦島太郎が釣糸を垂れる姿に見立てたとのことです。
なかなか遊び心が感じられる命名です。
写真は,稲城中央公園の林間地にて,
すっと伸びた釣り糸が確認できます。(4/24)。


ウラシマソウを見つけてまもなく,よく似た植物を見つけました。
しかし,釣り糸にあたる糸が見当たりません。
これは同じサトイモ科テンナンショウ属の蝮草(マムシグサ)でしょうか,
ウラシマソウと同じような花ですが,
蛇が鎌首を持ち上げているように見えるのでつけられた名でしょうか(4/24)。

蝮草どきり歩をやむ山路かな

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