なかなか花とは思えない形をしていますが,
これは烏柄杓(カラスビシャク),別名は半夏(ハンゲ)の花です。
緑の仏炎苞の中に花序が存在します。
柄杓に似ていて,烏が使うように小さいので烏柄杓です。
夏至から11日目となる雑節半夏生はちょうどこの半夏が生えるころ,
そこで半夏生と呼ばれるようになったといわれています。
地下茎は重要な生薬であり,半夏の名で漢方薬などに使われています。
北海道から九州まで,畑などに普通に雑草として見られるようです。
写真は,半夏生より一月ほど早い6月初旬,多摩市にて。
烏柄杓と同じサトイモ科で,仏炎苞や長い糸などがよく似ている
浦島草(ウラシマソウ)です。
ウラシマソウの名は花のその長い糸を
浦島太郎が釣糸を垂れる姿に見立てたとのことです。
なかなか遊び心が感じられる命名です。
写真は,稲城中央公園の林間地にて,
すっと伸びた釣り糸が確認できます。(4/24)。
ウラシマソウを見つけてまもなく,よく似た植物を見つけました。
しかし,釣り糸にあたる糸が見当たりません。
これは同じサトイモ科テンナンショウ属の蝮草(マムシグサ)でしょうか,
ウラシマソウと同じような花ですが,
蛇が鎌首を持ち上げているように見えるのでつけられた名でしょうか(4/24)。
蝮草どきり歩をやむ山路かな