京王線の読売ランド駅から稲城駅の南側一帯,
南山と呼ばれている里山があります。
オオタカも生息している自然が残されていた地域であり,
開発と自然保護をめぐって,長い間,論争が繰り返されている場所です。
その内容は新聞やテレビなどのマスメディアにも度々取り上げられていました。
それも一定の決着を見たのか,
開発地域である南山東部地区では昨年から開発が始まっているようです。
写真は時々行くケーキ屋さんの駐車場のすぐ横,開発地域への入り口の景色です。
木が生い茂っていた林,竹林がすっかり伐採され
アスファルトの道が付けられていました。
同じ南山でも西部地区は開発地域にはなっていないようです。
貴重な里山が残されています。
開発地域入り口の殺伐とした景色を見て,
ふと,そんな南山の西部地区の里山に行ってみようと思いつきました。
稲城駅から5分ほど,JR武蔵野南線生田トンネルの入り口近く,
ちょうど妙見寺の裏あたりに南山入り口と書かれた細い山道がありました。
その入り口付近には,しいたけ栽培のホダギにするのでしょうか,
1mほどに切り揃えられたクヌギが山ほど積まれていました。
開発地域で伐採された木かも知れません。
鬱蒼と木が茂り,道は落葉に埋もれています。
まだ昼を過ぎたばかりですが,ところどころ薄暗く夕闇のように思えます。
途中,リュックを背負い,登山の格好をした,5,6人の集団とすれ違いました。
今日はと声をかけられ,まるで,遠くの山にハイキングに来た思いです。
西へ向かう道を選択して歩いていると,
やがて,目の前がぱっと開け,周囲が林に囲まれた中に,
広い畑地が現れてきました。
まさに,これぞ里山という風景です(写真)。
農作業をしている人がいるのでしょう,白い軽トラが1台確認できます。
さらに,進むと道がだんだん細くなり,山深くなってきました。
案内板もなく,思うままに歩いていましたので,
ルートから外れたのかも知れません。
遭難することはないと思いますが,会う人もなく,少し不安になってきました。
引き返してみましたが,どこで間違えたか,元の場所に戻れません。
そうこうしているうちに,軽4輪の轍がついた比較的広い道に出てきました。
この道を行けば,多分,目的の場所に行けるはず,
10分ほど轍に沿って歩いて行くと,
これまた里山風景と思われる広い畑地に到着しました(写真)。
農作業が一段落し,昼飯の準備でしょうか,煙が立ち上っています。
遠くに見慣れた高層マンション群が見えます。
ここは前に来たことのある場所です。
多分ここに出るだろうと歩いていた目的の場所です。
里山に煙たなびく秋日和